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テーマ:邦画を大いに語ろう!(83)
カテゴリ:映画・邦画
97.犯人に告ぐ
■制作:東宝 ■製作年・国:2007年、日本 ■上映時間:117分 ■鑑賞日:11月25日、シネマスクエアとうきゅう(歌舞伎町) ■公式HP:ここをクリックしてください □監督:瀧本智行 □脚本:福田靖 □原作:雫井脩介 □製作:和崎信哉、春名慶 □照明:蒔苗友一郎 □撮影:柴主高秀 □録音:三澤武徳 □美術:若松孝市 □編集:高橋信之 □装飾:田畑照政 □衣装:高橋さやか ◆豊川悦司(巻島史彦警視)6年前の失態で足柄署に左遷されていたがバッドマン事件の特別捜査官に任命される ◆松田美由紀(巻島園子)巻島の妻。一人息子一平を出産した際に重態に陥った ◆石橋凌(曾根要介警視官)神奈川県警本部本部長で警視総監の座を狙う野心家で巻島の因縁の元上司 ◆小澤征悦(植草壮一郎警視)前警視総監の息子で県警本部刑事総務課長。世間知らずのボンボンと曾根に言い放たれる ◆笹野高史(津田良仁巡査部長)足柄署の巡査部長で巻島の信頼が厚い古参刑事 ◆片岡礼子(杉村未央子)第一テレビ「ニュースライブ」キャスターで植草の大学時代の同級生 ◆井川遥(早津名奈)ミヤコテレビ「ニュースナイトアイズ」のキャスター ◆崔洋一(韮沢五郎)ミヤコテレビ「ニュースナイトアイズ」の看板キャスター ◆石橋蓮司(迫田和範)「ニュースナイトアイズ」コメンテーターで元大阪府警捜査一課長 【この映画について】 雫井脩介原作のベストセラーの同名小説を映画化した作品。川崎で起きた連続児童殺害事件「Badman」と名乗り脅迫状を送りつけた犯人は、3件目の犯行後、表舞台から姿を消した。 膠着した捜査をの打開を図るために、警察は捜査責任者をテレビのニュース番組に出演させ犯人に直接呼びかけるという「劇場型捜査」に着手することを決断。 こうしてTVで呼びかける巻島捜査官に「トヨエツ」こと豊川悦司が、かつての上司やエリート課長らとの確執を抱えながらも自らの信念の元に捜査をする刑事役を好演している。上司役の石橋凌、ボンボン課長の小澤征悦、ベテラン巡査部長の笹野高史らの個性的な演技にも注目。 【ストーリー】(ネタバレなし) 2000年12月31日、大晦日の新宿。6歳の桜川健児少年誘拐事件の身代金受け渡し現場。神奈川県警の巻島警視は警視庁の指揮下現場の張り込みをしていた。 犯人からの指定した時間より1時間過ぎた頃、受け渡し現場で焦る母親は何時の間にか身代金を入れた紙袋の底に貼り付けられたメッセージに気が付いた。そこには新宿ではなく横浜へ来るように書かれていた。 巻島は上司が警視庁の参加に不快感を持っていたため「県警」だけで捜査をし警視庁には手を引くよう指示した。 しかし新世紀へのカウントダウンでごった返す中、警察は犯人との接触に失敗し、翌日に健児少年の遺体発見という最悪の結末を迎えた。健児少年の父から激しく糾弾された巻島だったが、会見では上司の命令もあり「やるべきことはやった」と釈明し世間の非難を一手に浴びる。巻島はこの時、妻が出産で重態に陥っていると連絡が入り動揺していて、記者からの執拗な追求に遂に感情を爆発させてしまった。 6年後、巻島は足柄署へ異動させられていたがそこでは検挙率が県警内でトップに輝くなど実績を上げていた。 ある日、巻島は県警本部に呼び出される。待っていたのは巻島同様、6年前の事件の上司でありその後地方勤務を経て本部長に返り咲いた曾根だった。 着任早々、曾根は川崎で発生しその後捜査が行き詰まっている連続児童殺害事件の操作方法を見直した。 「Badman」と名乗る男はTV局に脅迫状を送りつけ挑発しながらも、3件目の事件移行は5ヶ月も沈黙を続けていた。 そこで曾根は大胆にも巻島自らがTVのニュース番組に出演し情報提供を呼びかけることを命じた。成功すれば県警本部に戻すとの約束を見返りに受けた。 巻島は足柄署で信頼する津田巡査部長に応援を頼み、前警視総監の息子である総務課長の植草警視の指揮下で捜査をすることを承知した。 ミヤコテレビ「ニュースナイトアイズ」のスタジオで脅迫状を受け取った早津キャスター、メインの韮沢キャスター、コメンテイターで元大阪府警刑事の迫田らと共に出演した巻島は番組内で急遽直接「Badman」に語りかけるのだった。 予想外の反響があり「Badman」に関する情報が殺到し、番組視聴率はうなぎのぼりでTV局側はその後も巻島の出演を依頼した。 これに焦ったのがライバル放送局。焦りを抱いた第一テレビの看板女性キャスター、杉村は大学時代の同級生でもある植草に接近する。植草は警察の内部情報を流し、今度は巻島が批判される立場に追い込まれる。 曾根からも追い込まれ、巻島は3日間で解決せよと厳命される。そして6年前の事件の犯人を逮捕したのだったが...思わぬ事態が待っていた!窮地に追い込まれた巻島は巻き返しが出来るのか? さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。 1.曾根は巻島に何故TVに出演して犯人に呼びかけるというアイデアを思いついたのか? 2.植草が杉村に流した警察の内部情報とは? 3.6年前の事件の容疑者に辿り着いた巻島だったが、容疑者の身柄はどうなった? 4.6年前の事件に絡んで、巻島の家族が脅迫されたが一体誰が脅迫したのか? 5.徹底したローラー作戦で容疑者を特定し追い込んだ警察だったが果たして犯人は意外なところに... を中心に映画館かDVDでお楽しみ下さい。 【鑑賞後の感想】 私は原作を読んでいないが原作がベストセラーを記録したからと言って、映画もヒットするとは限らない。要は、原作の良さを脚本が映画向きに如何に活かす事が出来て監督が俳優を見事にコントロールして映像化するかに掛かっている。 映画を観た感想としては、出演俳優たちの演技は脚本に沿った演技を見せていた。トヨエツの迫真の演技?や小澤征悦のトボケタ演技に石橋凌や笹野高史の絡みも文句の付けるところは無かった。 残念ながら俳優の演技の良さも、ストーリー展開の物足りなさをカバーするまでには至っていなかった。中盤の中だるみは隠せなかった。 6年前の事件と、その後の連続児童殺害事件の繋がりを見せたいのは理解出来るが、最後のシーンは何だか唐突に感じた。連続児童殺害事件の犯人が意外なきっかけで特定されていく様子は良かったが、意外な犯人があぶりだされていく様子がメインで犯人像そのものではなかったようにも思えた。 更に、警察内部の「メンツ」に関わる警視庁と神奈川県警の確執はお馴染みのテーマ。そして県警内部での足の引っ張り合戦、エリート警視の大学時代の同級生がキャスターという設定も取って付けたかのような設定と私は感じた。 この作品は一つ一つの材料は観るものの心をワクワクさせるようなものでありながら、それをアレンジする脚本家や監督にもう一捻り欲しかった。原作はどのような展開なのか知らないので、あくまでも映画を観ただけの感想とした。 決して悪い内容ではなかっただけに、そうした点が残念であった。映画よりTV用2時間ドラマ枠で製作した方が好評を博したかも知れない。 【自己採点】(100点満点) 66点。何年か後にリメイクしてみたらどうだろか? ←映画「犯人に告ぐ」のブログ満載! ←西武ライオンズのことならここ ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載 人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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