|
テーマ:邦画を大いに語ろう!(83)
カテゴリ:映画・邦画
66.歩いても歩いても
■制作:シネカノン ■製作年・国:2008年、日本 ■上映時間:114分 ■鑑賞日:7月26日、アミューズCQN(渋谷) ■公式HP:ここをクリックしてください □監督・原作・脚本・編集:是枝裕和 □プロデューサー:加藤悦弘、田口聖 □照明:尾下栄治 □撮影:山崎裕 □録音:弦巻裕、大竹修二 □美術:磯見俊裕、三ツ松けいこ □衣装:黒澤和子 □音楽:ゴンチチ
【この映画について】 『誰も知らない』でカンヌ映画祭を沸かした是枝監督は、国内外で高い評価を受けている。 是枝監督の新作は、成長して巣立った子供たちと老夫婦の、ある一日をたどるホームドラマ。人生の黄昏期を迎えた老夫婦に原田芳雄と樹木希林、息子夫婦に阿部寛と夏川結衣、長女にYOUと、観終わればその見事な役者の演技と脚本に舌を巻くはず。 料理する台所の様子、家族そろっての食卓の風景、墓参りへ向かう歩道――そんな何気ない場面で交わされる会話のひとつひとつから、お互いの微妙な関係が判明していくところに、脚本の素晴らしさがある。気取らない自然な感じを表現するのが上手な是枝ワールドを堪能できる。 【ストーリー&感想】 ある夏の終わり。横山良多は妻・ゆかりと息子・あつしを連れて実家を訪れた。開業医だった父と昔からそりの合わない良多は現在失業中ということもあり、気の重い帰郷だ。 姉・ちなみの一家も来て、楽しく語らいながら、母は料理の準備に余念がない。その一方で、相変わらず家長としての威厳にこだわる父。今日は、15年前に不慮の事故で亡くなった長男の命日なのだ…。 そんな老夫婦を中心とした日常風景が見事に描かれている。ストーリーとしては上記の書いたような内容なのだが、この映画はストーリーを追うのではなく日常の流れの中にストーリーが隠されていると言ったスタンスで考えるとこの映画を理解出来るだろう。 キチンとしたストーリーがある映画を想像し求める人にはこの映画は守備範囲外であろう。是枝監督はこうした日常のありふれた生活の中に、何か失われたものがあるのではないかという問い掛けを常に散りばめている。 開業医だった父と絵画修復士という仕事に理解を示さない父子間の確執、長男を亡くしたショックがふとしたことで蘇ってしまう母の苦悩など、こうした家族間の心理の描写が自然なのが是枝監督の特徴でもある。 一歩間違えると淡々と進み退屈しそうなのが是枝作品だが、そうならないのはやはり単純だが脚本がしっかりとしているからである。 YOUと阿部寛の演技が対照的だったのが面白かった。YOUは自然で会話も面白いが、阿部寛は演技なのか?どこか肩に力が入っていた。 因みに映画のタイトル『歩いても歩いても』は、いしだあゆみのヒット曲「ブルーライト・ヨコハマ」の印象的なワンフレーズから付けられている。 【自己採点】(100点満点) 85点。是枝作品には今後も注目したい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 自己PRコーナー:今度、「旅行ブログ」を開設しました。徐々に旅行記を増やしていきますので、宜しければご覧下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ブログランキング参加中です。ぜひ、1票を投じて下さい。(又は、見出しをクリックして下さい) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.05.22 07:17:35
コメント(0) | コメントを書く
[映画・邦画] カテゴリの最新記事
|