縄文の漆フォーラムが開催されました
渡島総合振興局 地域政策課です。 皆さん、昨年10月1日にオープンした「函館市縄文文化交流センター」には、もういらっしゃいましたか? 縄文文化交流センターには、北海道唯一の国宝「中空土偶」や地域から発掘された「縄文土器や石器」などの遺物の展示のほか、「縄文編み(あんぎん)」や「縄文土器」「勾玉」などの製作体験メニューも用意されています。体験を通じて、縄文の暮らしを知り、いにしえのこころを想う、北の縄文浪漫を是非とも体験しませんか! 体験メニューはタイムテーブルが決まっていますので、事前に公式HPでご確認いただくのがよろしいかと思います!◇縄文文化交流センターのサイトはこちら http://www.hjcc.jp/ さて、その縄文文化交流センターに於いて、2/11(土)「縄文の漆フォーラム-世界最古の漆糸製品復元プロジェクト-」が開催されましたので、その模様をご紹介します! 漆フォーラムには、漆糸製品の発掘と復元に携わった方々が一同に会しました。 ※縄文文化と「漆糸と漆糸製品」 漆糸は、草本類(アカソなど)や樹木類(バッコヤナギなど)を繊維素材とした糸に漆を塗ったもの。 漆糸製品は、漆糸にて加工(あんぎん編み)したものです。 漆糸文化は、縄文時代の初期段階(約13,000年前)で技法が確立して後晩期(約4,000~2,300年前)に最盛期を見るが、縄文時代の終焉とともに姿を消すことから、漆糸はまさに縄文時代の漆文化を象徴する技法とのこと。ちなみに漆糸は中国の新石器文化になく、日本オリジナルであることも注目に値します。 その縄文の漆糸製品ですが、縄文文化交流センター近傍の垣の島B遺跡より平成12年に出土し、世界最古の"漆糸製品"として話題が集まりました。 しかしながら平成14年12月深夜に発生した調査事務所の火災により、多くの遺物とともに大きく損傷するという惨事が発生したという経緯があったため、今回の漆糸製品復元プロジェクトが実施されました。 漆糸製品の復元報告について、当時、漆糸製品の発掘に携わった人や地域住民、熱心な縄文ファンが集まりました。 フォーラムでは、発掘当時の様子(エピソード)や専門機関での研究内容の評価、漆糸製品の復元作業での苦労話などを交えながら話が盛り上がりました。 マネキンの肩部にかかる赤茶色の方形が復元された漆糸製品です。 縄文人の装飾品だったのでしょうか?現時点で使用目的はよく判りませんが、こうした実証実験等を経て得られる研究成果に期待します。 触ってみると、糸に漆がコーティングされているためか、非常に硬いものでした。 縄文文化は、まだまだ解明されていないことが多く、今後の遺跡発掘や研究により、徐々に解明されていくこが期待されます。 縄文に興味ある方、道南の縄文ワールドをぜひ体験してみませんか。 ◇「渡島の縄文」(渡島総合振興局)のサイトはこちら http://www.oshima.pref.hokkaido.lg.jp/ts/tss/jomon.htm