北海道の若者が海外で活動しています!
こんにちは総合政策部政策局総合教育推進室です若者の海外留学を官民挙げて支援する「ほっかいどう未来チャレンジ基金」によりラグビーの本場ニュージーランドで指導者と選手双方の立場でプログラムに参加し、楽しむラグビーを道内で浸透させることを目指す、スポーツコース田中さんから7月の活動の様子が届きました 7月は、カンタベリー州代表、ディベロップメントチーム(育成強化チーム)の選考も含めた育成練習会と試合が行われたので、仕組みとチームでの指導面で感じたことに観点を置き、ご報告いたします。 通常の15人制のシーズンは各クラブチーム対抗のトーナメントが8月下旬まで行われ、決勝が終了してからカンタベリー代表に各チームから選出されますが、今シーズンは6月下旬に決勝が行われクラブチームのシーズンが終了いたしました。7月からは4週にわたり、カンタベリー協会主催にて州代表、ディベロップメントチームの選考を含めた育成練習会と試合が行われました。 チーム編成は、各クラブチームから5名強程度ずつ4つのチーム(Red, Blue, Green, Yellow)に区分けされました。毎週火曜と木曜の午後6時から練習があり、7月の第2週から毎週末、他3チームとの試合が行われました。 第1週の土曜は全選手が集まりオリエンテーションも含め、パススキルやアタックセットピース、ディフェンス、ブレイクダウンと各セクションに分かれ練習を行い、それぞれのチームに分かれチームビルディングや試合に向けての確認を行いました。今回の育成事業は今年が第一回目であり、各クラブチームの選手が混合で編成されたチームなので初めて会う選手がほとんどでした。私が所属したチームREDはチームビルディングが非常に多かったです。 まずはお互いをよく知るために用意された質問を使ってゲームなどを行い、選手たちの緊張感が解れてから、このチームが1か月間という短い期間の中で一丸となって闘うには具体的にどういったことが必要かを選手一人一人が考え、みんなで共有していきました。 実際に選手の意見の中に、良いチームをつくりあげるには、Focus - 集中して取り組むという項目がありましたが、これに対してコーチはどのように集中するのが正しいのかという質問をし、具体的な例をあげて選手たちに意見を求めました。 例えば、練習や試合前のウォーミングアップの際、音楽を聴きながら個人で集中力を高める選手もいれば、複数人で簡単なゲームをしながら準備をする選手もいます。このFocusという言葉の中には、全員が同じ方法で集中力を高めるのか、お互いの方法を尊重した上でそれぞれが取り組むのかという質問に対し選手同士話し合う中でこのチームではお互いの方法を尊重しチーム全体で集合するときには準備ができているようにするということで意見をまとめました。他にもFeedback - フィードバックを行うという意見に対し、どのタイミングで誰からのフィードバックが望ましいのかという質問が出ました。これに対しても選手同士話し合いチーム全体でお互いの意見の確認をし、最終的にこのチームではこういった方法で行うということを具体的にまとめました。 このようにどのスキルを伸ばしたいか、そのためには何が必要か、コーチには何を求めるか、周りのチームからはこのチームがどんな風に見られたいか、このチームの一員としてどうあるべきかなどといった定義について選手同士で話し合いました。そして指導者はどんな意見に対しても否定することをせず必ず肯定し、更に具体性を出すような形で選手とのコミュニケーションをとっているように感じました。 このように話し合いやチームビルディングを行うことにより、練習や試合を重ねるごとにチームとしての成長が見られ、最後の試合が終わる頃には1か月で作り上げたチームとは思えないほどの統一感があり、もちろんそれは試合でも十分に活かされたと感じています。ニュージーランドではスポーツを通して、自身のComfort Zones - 安心領域から出てどんなことにも積極的に挑戦する、自分の思いを自分の言葉で周りに伝えることの重要性というのが大切にされています。 日本ではどうしても自分のチームに固執してしまい他のチームとの交流はまだまだ少ないように思えます。日本でも他チームとの交流を増やし、お互いの文化や価値観を共有したり、個人としてのスキルに集中するだけでなく、シーズンを通してチームとしてどう成長していくべきか等にも目を向けるべきであると感じましたし、北海道、そして日本の女子ラグビーの更なる進化につなげる為にこういった活動が増えることを強く願いました。 今回この育成事業に選手として参加し、チームビルディングを通してチームとして一つになることへの取り組みの重要性を強く感じましたし、安心領域から自分を外に出すことで成長を目指すことに対し現地の選手たちが積極的であることにとても刺激を受けました。 ニュージーランドでは自分の成長の為に、安心領域から脱出するという言葉や意識がスポーツだけでなくどの分野でも重視されていることがこの国の文化であり、強みであると感じました。また、同時に日本にもこのような文化が広がってほしいと強く感じました。▼「ほっかいどう未来チャレンジ基金」についてはこちら http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/sky/mirai-jinzai.htm▼「みらチャレ」公式facebookページについてはこちら https://www.facebook.com/mirachalle/