カテゴリ:山登り
※宮城県の山をご紹介するブログです。
今回ご紹介する山は「水引入道(みずひきにゅうどう)」(白石市・しろいしし)です。 登山口は,コガ沢コースはみやぎ蔵王白石スキー場,ジャンボリーコースはスキー場から神嶺林道を1.5キロほど北進したところになります。コガ沢コースは,コガ沢を渡渉する場所が結構危険ですし,対岸に渡ったあとかなりの急登となり,体力に自信のある経験者向けとなります。今回は,水引平(みずひきだいら)もおすすめしたいので,比較的登りやすいジャンボリーコースをご紹介します。 スキー場の駐車場北の外れから登山口までは車で林道を進めます。登山口付近には標識と駐車スペースもあり,迷うことはないでしょう。登り始めから視界のないブナ林の中をかなり歩くことになりますが,それはそれで緑のシャワーを体一杯浴びることになり,森林浴を十分満喫することができます。山頂までは3時間弱かかりますので,単調な山道をあせらずに小休止を入れながらじっくり登りましょう。 しばらくは雑木林の中をひたすら歩くことになります。途中,アキノキリンソウ,トモエシオガマ,シラネニンジンなどが見られます。 だいぶ歩き急坂になるあたりにくると,やっと視界が開けてきて,南西に不忘山が見えてきます。しばらく明るい尾根道をたどると突然ガレ場に飛び出し,ここまでの単調な樹林帯と目にする景色とのギャップに思わず感嘆の声をあげることでしょう。 大日向(おおひなた)です。まだ山頂は先になりますが,その展望は,真正面に南屏風岳,左手に不忘山が圧倒的な形で君臨し,山容の雄大さに心を奪われます。 大日向のガレ場から山頂方面をうかがうと恐竜のような大岩が立ちはだかっており,足元には水滴を浴びたミヤマシャジンが咲き誇っています。標高が高く,風の強い厳しい場所にあって,慎ましく咲いている高山植物に,感動することでしょう。大岩の間をすすみ,尾根伝いにハイマツの灌木の中を登って行くと,周囲の状況から山頂らしきところに到達します。自然が厳しいせいか,普通ある木製の山頂の標柱がなく,岩に黄色のマークがあるのでここが山頂かと思えます。山頂は360度パノラマになっており,すぐ隣の馬ノ神岳(まのかみだけ)や後烏帽子岳が間近に見えます。 山頂から屏風岳に向かって20分ほど下ると鞍部に至り,ここが水引平になります。水引平には小湿原と池塘があり,周囲一面にキンコウカ,ミヤマホタルイなどの高山植物が咲き競っています。 目を足元から頭上に移すと,屏風岳の壁が水引平の鞍部を威圧しています。振り返れば,さきほど通過した,水引入道の山頂から大日向にかけてのガレ場が見えます。 帰路は20分ほど水引入道の山頂まで登り返せばあとは下るだけです。大日向まで景色を堪能し,また単調な樹林帯を下山します。途中,登りの時に気づかなかったウメバチソウ,ホツツジ,ギンリョウソウに出会えるかもしれません。 蛇足ですが,11月初旬に登った時は,大日向あたりで,強風にあおられて立っておられず吹き飛ばされそうになりながら必死で写真を撮りましたが,当然ブレていました。先行して登った人の話を聞くと,大日向は雪だったので引き返してきたとのこと。私は行ける所まで行こうと足を進めたところ,運よく,雪はなくなった時間帯に到着しましたが,自然の厳しさをあらためて感じとりました。慣れは禁物です。 なお,この一帯は,夏は海からのガスが山頂に向かって這い上がり,天気予報で晴れといっても期待に沿うことができない場合があることをあらかじめ覚悟していてください。でも,水滴を浴びた高山植物もおつなものです。 標高:水引入道1656m 行程:約5時間20分(休憩時間を除く。) 参考文献:「新・分県登山ガイド3宮城県の山」(山と渓谷社) 労働委員会 T.M お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.06.30 08:26:32
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