※宮城県の山をご紹介するブログです。

今回ご紹介する山は「泉ヶ岳（いずみがたけ）」（仙台市泉区・せんだいしいずみく）です。

仙台市中心部から北西に約20kmのところに位置し，四季を通じて仙台市民の憩いの場となっています。春から秋にかけてはトレッキングやパラグライダーの愛好家が，冬はスキーヤーをはじめ，輪?（わかんじき）やスノーシューで雪上ウォーキングがてらに元旦の御来光撮影に勤しむ人々が，足繁く通っています。
登山の起点となる芳ノ平には1,000台の大駐車場があり，瀟洒なトイレの建屋が整備されており，申し分のないレジャー施設になっています。山頂へは４コースがあります。




春，4月下旬，雪解けあとの若芽が萌え出る時期に，最も西側の水神コースを辿ります。なだらかな坂を「水神」と呼ばれる水場まで歩き，そこから途中「大岩」で休憩を入れながら，眺望が開ける賽ノ河原まで急坂を登って行くコースです。5歳になれば両親と一緒に登れるファミリー向けの，開放的な往復3時間25分のコースとなっています。




夏，8月上旬，早朝にかもしかコースを辿ります。ゲレンデを登り始め，だだっ広い「兎平（うさぎだいら）」の草原を通り，春以外水がない「岡沼」という草地を越え，中央から山頂へ直登する往復3時間30分のコースとなっています。朝露を浴びたツリガネニンジン，コバギボウシをはじめ，ヤマハギ，ヒヨドリバナ，ワレモコウが咲いています。


水神コースとかもしかコースの間に滑降コースがあります。かわいい「三角山」の山腹を過ぎ，「お別れ峠」を経，「大壁」を直登するコースです。途中の「見返平」以外展望はなく，ほかのコースのサブコースとして使うのが良いでしょう。芳ノ平駐車場と山頂とを直線的に結ぶ往復約3時間30分のコースとなっています




秋，10月上旬，紅葉を愛でながら表コースを辿ります。表コースの登山口は芳ノ平駐車場から北へ約2km先になります。10台ほどの駐車場があり，東側から山頂へ向かうコースになります。「胎内くぐり」「ドウダン林」を経て，落ち着いた，大人向けの往復約2時間40分のコースとなっています。5月中旬頃まで山頂手前の尾根に残雪が残っていて，歩きづらくなっていますので，その時期は避けた方が無難です。






山頂は石が多い裸地となっており，中央に三吉大神，東側に薬師堂が祀られています。開放感のある空間になっていて，小学生，家族連れ，愛好者グループで賑わっていますが，眺望は余りありません。山頂から少し西に寄ったところに眺望がいいところがあります。北泉ヶ岳，三峰山，後白髪山，奥に船形山，遠くは蔵王連峰まで見渡せます。こちらの空間で休憩を取るのもおすすめです。

表コースを除く3コースを連結する横断ルートが，「お別れ峠」を分岐として中腹に整備されていますので，往復のコースを自由に選択できます。

登山適期は4月から11月にかけての季節になります。芳ノ平までの沿道には，そば，お好み焼き，カレー，ラーメン，ピザ，スパゲティ，アメリカ家庭料理など，バラエティに富んだお食事どころが立ち並んでいます。また温泉もあります。市街近郊のトレッキングを十分楽しんでください。

標高：泉ヶ岳1172m　行程：約5時間40分（休憩時間を除く。）
参考文献：「新・分県登山ガイド３宮城県の山」（山と渓谷社）　「山と高原地図７　蔵王・面白山・船形山」（昭文社）
行政管理室　Ｔ．Ｍ