カテゴリ:山登り
※宮城県の山をご紹介するブログです。
今回ご紹介する山は「オボコンベ山(おぼこんべさん)」(川崎町・かわさきまち)です。 秋保(あきう)温泉の西,秋保町馬場から国道457号線を南下していくと,本砂金(もといさご)地区に登山口を示す案内板があります。そこから西方の栃原地区に向かって進みます。途中で舗装道から林道の砂利道に変わりますが,奥に駐車スペースがあり,本砂金川側にオボコンベ山登山口の案内板があります。 長靴を用意してください。 登山口を少し下ると本砂金川があり,渡渉します。この場所もそうですが,地元山岳会の方が目印をつけてくれているテープを見落とさないで,慎重にコース取りをすることが必要です。コースの前半は左右から沢が入り組んでいる谷間を歩くことになり,初めての方にとっては非常に分かりにくいルートになっています。 登り始めはナメ状の沢を気持よく歩くことになります。ローアングルで川をのぞくと,澄んだ水面に両側の木々の景色が映し出され,は~これが滑川なんだと合点がいくことでしょう。しばらくは左右が雑木林の斜面に囲まれた狭い谷間を歩きます。うっそうとした沢沿いを歩いたり,沢をはさんで右に左に行き来しますが,樹林越しに天空からふりそそぐ太陽の光が清々しさを演出してくれます。 沢の途中には何か所も流木が大量に堆積したところがあり,その都度現在地を確認してください。目印のテープと,沢の方向と数と,歩いてきた時間をしっかりと確認する必要があります。おかしいと思ったら,必ず立ち止まるなり,少し戻るなりして,慎重に足を運んでください。 ガイドブックで案内してくれている沢から尾根への取付のところには確かに標識がありますが,非常に見つけづらくなっています。また,ガイドブックには無いのですが,東隣の沢沿いにも登山ルートがあります。目標物のない谷間のルートなので,くれぐれも現在地確認に注意が必要です。 尾根取付からは狭いながらもしっかりとした踏跡のある登山ルートになっており,ここからは迷うことはなくなります。少しだけ急斜面を登ると尾根上に出て,西は桐ノ目山(きりのめやま),東はオボコンベ山の分岐になります。 登山ルートからは外れますが,桐ノ目山へはしっかりとした踏跡があり,往復40分ほどでブナ林の中を気持よく登って来れます。山頂は少しだけ眺望が開けており,雁戸山(がんとさん)が見えます。 オボコンベ山分岐から東へ少し下り鞍部を越えて登り返すと,鋭い岩肌のマンモス岩が目に入ってきます。 マンモス岩横の展望スペースからは,雁戸山が深い谷越しにすっきりと見えます。マンモス岩の反対側の陰にあるアーチ状の岩越しに谷間を覗きながら足を進めると,いよいよオボコンベ山の岩峰となります。ロープを伝いながらの急登となりますが,あまり距離もないので苦にはなりません。 オボコンベ山山頂は狭いスペースですが,遠くに雁戸山,真向かいに端正な桐ノ目山,東方に戸神山(とがみやま),蕃山(ばんざん),太白山(たいはくさん),大倉山など,360度のパノラマのロケーションに感動を覚えます。こんな登山時間で,こんな標高で,こんな景色が見られるなんて,ラッキーと叫びたくなることでしょう。紅葉の季節がおすすめです。 帰路は,山頂の東側の斜面を急降下し,登山口から林道を700mほど東に下った下山口に抜けるコースを選定することもできます。しかし,このコースは途中まではブナ林の尾根道を気持よく辿ることができるのですが,途中からは多少藪こぎを覚悟しなければなりません。それを考えれば,登ってきたコースを戻り,滑川の感触をもう一度楽しんだ方が無難かも知れません。 今回の山は,トレッキングシューズにこだわらず,最初から長靴で,澄んだ冷たい水をゴム越しに感じながら滑川を歩きましょう。 標高:オボコンベ山595m 桐ノ目山711m 行程:登山口⇔オボコンベ山頂往復のみ 約2時間30分(休憩時間を除く。) 参考文献:「新・分県登山ガイド3宮城県の山」(山と渓谷社) 労働委員会 T.M お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.09.01 08:08:00
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