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直播(ちょくは又は,じかまき)栽培とは,ハウス等で水稲の苗を育てるのではなく,直接水稲の種籾を水田に播いて栽培する方法です。
過去何十年と直播栽培は,実施されてきていますが,最近安定した収量が得られる技術として注目されているのが,『鉄コーティング直播栽培』技術です。 ○直播栽培は,苗を植えるのではなく,このようにすじ状に種を落としていきます。 ○真ん中にあるのが落とされた種籾です。 鉄コーティング直播栽培とは,湛水直播栽培で多く行われている過酸化カルシウム(商品名:カルパー粉粒剤)をコーティングする代わりに,細かい鉄粉と焼石膏を混ぜ,浸種した種子にコーティングし,代かきした水田土壌の表面に播種する方法です。 ○鉄がコーティングされた種籾 (茶色になっています。通常のカルパーだと白くなります。) 鉄コーティング湛水直播栽培は,次のようなメリットがあるようです。 (1)種子の比重が大きくなり,浮き苗になりづらい。 (2)土壌表面に播種するため,種子の出芽や生育が良好となる。 (3)鉄の皮膜が硬いため,スズメの食害を防ぐ。 (4)鉄コーティング種子は長期間保存でき,そのためコーティング作業は農閑期に実施できる。 (5)浸種し活性化した種子(活性化種子)を乾燥し保存したものは,播種後すばやく発芽する。 ○苗運搬等の補助者がいらず,軽労化ができ,1人でも作業可能です。 我が家においても,田植えの際の苗箱の運搬や苗箱代の軽減が図られ,この技術のメリットを実感しています。 今後,従来のカルパーコーティングに比べ,資材費が安い,鳥害が少ないなどのメリットのある,この鉄コーティング直播栽培が定着することにより,水稲栽培の省力化や農業者の規模拡大などが進むことを期待しています。 農産園芸環境課 M.I お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.05.21 09:48:31
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