|
カテゴリ:文学
岩手日報によると、岩手・宮城内陸地震で、土砂により川がせき止められる"せき止めダム"の水位が上昇しているそうで、岩手県は16日、磐井川の応急対策を国土交通省に要請したそうです。
これから東北地方は入梅する季節。 早期に解決しないと、とんでもないことになります。 しかし ここへ行く道路は寸断され、陸路では行けないので空からの資材投入が必要だとか。 中国 四川大地震と同じく、山間部の地震の怖さを露呈しています。 が、日本では陸の孤島となりかねないところが多くあります。 しかも 高齢者の多く住む集落がほとんど。 こういう過疎地にこそ早く援助の手が届くようにしてほしいものです。 さて、以前にも言いましたが、日本の経済は減速していますが、内閣府が消費者態度指数を元に、経済基調判断を示しました。 ----------------------------------------------------------------- 内閣府が13日発表した5月の消費動向調査は、消費者心理を示す消費者態度指数(一般世帯、原数値)が33.9と前月に比べ1.3ポイント低下し、米同時テロの影響があった2001年12月に次ぐ過去2番目の低水準となった。 暫定税率の復活でガソリン価格が大幅に上昇したほか、加工食品の値上がりも相次ぐなど消費者の間でインフレ懸念が広がり、「モノを買いたい気持ち」が減退を続けている。 同指標の前年同月比の低下幅は13.4ポイントと過去最大になった。 内閣府は7カ月連続で「悪化している」との基調判断を示し、「今後、指数が過去最低を更新したら表現を差し替える」とした。 調査の基準日は5月15日で、全国約5000世帯から回答を得た。 指数を構成する4項目すべてが前月に比べ悪化した。 このうち「暮らし向き」は前月比1.5ポイント低下の31.5となり、過去最低を更新した。 「(家電など)耐久消費財の買い時判断」については消費税率引き上げ直前の1997年3月に次ぐ過去2番目の低水準になった。(2008年6月13日 日本経済新聞) ----------------------------------------------------------------- 物価はあがるし、景気は後退する。 いったい庶民はどーすりゃいいの? 某官庁みたいに、隠匿資金を好き勝手に使わせてくれないかなぁ~ よろしおすなぁ 官庁はお気楽で・・・ ということで、本日のお題は 「プレカリアート」 またまた昨日に引き続き 専門用語 あ~んど 硬い話題でごめんちゃい どなたさまも すんまへんなぁ~ お気楽でないブログで・・・ お気楽は官庁におまかせ! 尚、昨日のお題は 「好き勝手」←ご覧になってない方はこちらもどうぞ ----------------------------------------------------------------- 日本がまだ帝国だったころ、昭和初期の時代の話。 ソヴィエト領内であるカムチャツカの沖で蟹を獲りそれを缶詰にまで加工する蟹工船「博光丸」 その「蟹工船」が「会社」に仕立てられ、「国益」を大義名分に、ロシア海軍に対抗するための駆逐艦と共に出航する。 そしてそれは、“労働者が北オホツックの海で死ぬことなどは、丸ビルにいる重役には、どうでもいい事だった。”ということでもあった。 労働者といっても正式な「社員」などではなく、単純な季節雇いの肉体労働者である。 彼らは「会社」にしてみれば使い捨ての可能な「もの」でしかない。 彼らは自分達の労働の結果、高価な製品を生み出しているにも関わらず、蟹工船の持ち主である大会社の資本家達に不当に搾取されていた。 会社から派遺されてきた監督の浅川は彼らを過酷に使い回す。 彼らは懲罰という名の暴力や虐待、過労と病気(脚気)で倒れてゆく。 そして浅川の苛烈な仕打ちで一人の労働者が死んでしまう。 初めのうちは仕方がないとあきらめる者もあったが、それをきっかけに「学生上り」や「吃りの漁夫」を芯として、自然に浅川らの代表する「資本主義」に対抗する組織が出来上がっていく。 労働者の団結は船全体に広がり、彼らは人間的な待遇を求めて指導者のもと団結してストライキに踏み切る。 しかし、経営者側にある浅川たちがこの事態を容認するはずもなく、同行していた軍艦の手によって鎮圧され、首謀者九人は捕らえられてしまう。 だが労働者たちは「組織」の弱点を知った。 間違っていた。 ああやって、九人なら九人という人間を、表に出すんでなかった。 まるで、俺達の急所はここだ、と知らせてやっているようなものではないか。 俺達全部は、全部が一緒になったという風にやらなければならなかったのだ。 そしたら監督だって、駆逐艦に無電は打てなかったろう。 まさか、俺達全部を引き渡してしまうなんて事、出来ないからな。 労働者たちは再び団結し、もう一度ストライキを敢行することになる。 ----------------------------------------------------------------- これは、みなさんもよくご存知の「蟹工船」のあらすじです。 今 この「蟹工船」がバカ売れしているそうです。 プロレタリア文学の代表作として知られる小林多喜二の「蟹工船」 約80年も前に書かれたこの作品がなぜ今、注目を集めているのでしょうか? ブームの主役は「プレカリアート」と呼ばれる若年労働者なのです。 ブームのきっかけは、今年1月に毎日新聞に掲載された作家の高橋源一郎氏と雨宮処凛氏の対談。 若者の貧困問題に取り組む雨宮氏が「『蟹工船』は今のフリーターと状況が似ている」と指摘。 高橋氏も「ゼミの教え子に読ませたら共感していた」と意見が一致しました。 この対談を読んだ東京・上野の書店員が手書きのポップ(店頭広告)を作ってフリーターにアピールしたら飛ぶように売れ、他の書店にも波及していった ということです。 「プレカリアート」: 「precario(不安定な)」と「プロレタリアート」を合わせた造語 この前 「格差」、「格差 その2」で書いたように、日本では格差の拡大が大きくなっています。 この格差の拡大が、世間の人々の気持ちにも、大きく影響していることは間違いないと思います。 現代の日本という状況では、この「蟹工船」にあるような生命の存続が危ういほどの非道な搾取は滅多にありません。 この物語は、一般民衆が貧困であったという前提なくしては説得力を持ちません。 過度の貧困があって、はじめて明確な「敵」を発見し、彼らは団結することができるのです。 しかし、かつて日本人は貧乏だった。 半世紀ほど前の日本では、こういった「搾取」が平然と行われていました。 帝国主義の本質とは、結局はそういった「弱者虐待」を必要とするものでしかなかったのです。 ゆえに、そのまま現在という時代に照らして読むことは不可能でしょう。 が、今 格差の拡大によって、底辺層が多くなってきています。 それが この本が売れる一因かもしれません。 現代は自分を「自称中流」といわれる日本人が総人口の8割以上を占めています。 しかし 自称中流が徐々に危うくなってきています。 内閣府の調査では今やフリーターの数は400万人以上。 派遣や請負を含めた非正規雇用者は労働者全体の約3分の1にのぼります。 もっとも、正社員といえどウカウカしていられません。 経団連はこの期に及んで「ホワイトカラーエグゼンプション」を復活させようと画策しているし、「蟹工船」を読んで身につまされるサラリーマンは少なくないはず。 プレカリアートの惨状は決して他人事ではないのです。 本業多忙のため、まったく更新してませんが・・・ ●別ブログ6/1の新着は「足のむくみ」 前回は「長野・聖火リレー裏話」 こちらも見てね 尚、迷惑書き込みがやたら多いため、現在 別ブログのコメント欄は承認後でないと投稿表示できません。 ご了承ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月17日 22時24分28秒
|
|