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カテゴリ:ビジネス
さて 以前「食の5原色」で食べ物にはおいしそうに見える色があり、また 5原色を揃えると栄養バランスも良いと書きました。 「おいしそうに見える色」、これはお酒でも同じで、特に「カクテル」などはそうです。
ということで、本日のお題は 「お酒とカラー」 尚、昨日のお題は 「ストレス Part2」 ご覧になってない方はこちらもどうぞ 人間の感覚には、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の「五感」があるとされています。 なかでも視覚は、聴覚とともに最も優れた感覚として位置づけられてきました。 例えば お客さまがお店に入った時、あるいはカクテルを目の前にした時、お客さまにとって第一印象となるのは「視覚」です。 さらに視覚のなかでも、形や奥行き、テクスチャーなどよりも、色のほうがより大きなインパクトを与えます。 テクスチャ((texture):物の表面の質感・手触りなどを指す概念。 本来は織物の質感を意味する。 「形より色」というのが、色彩(視覚)心理学の前提です。 ファッションの場合でも、襟の形やパンツのシルエットなどより、その人が何色の服を着ていたか、のほうが印象に残りますよね。 また、色には視覚的なインパクトだけでなく、気分を高揚させたり、逆に落ち着かせたりといった心理的な作用もあります。 色は「心」や「感情」と直結しているのです。 色を学ぶことで、お酒を作る幅もぐっと広がると思います。 また 「形より色」というのは何の商品でも同じですので、商品作りにも欠かせない要素となっています。 ちなみに 男性よりも女性のほうが色の感覚が優れている、といわれています。 そもそも男性と女性とでは、生まれた時から染色体の数が違うのです。 つまり バーテンダーも「女性のほうが色には敏感」ということをよく覚えておいてください。 もちろん お客さまもそうです。 女性は男性が考えるよりも、色でいろんなことを判断しているといえます。 まず、色というのは無彩色と有彩色に大別できます。 無彩色というのは、黒、白、グレーなどです。 無彩色は特殊な色となるので、説明は後回しにします。 一方、有彩色というのは「明度」と「彩度」から成り立つ色を指します。 赤、青、黄色、緑、紫など、ほとんどの色が有彩色の範疇に属します。 有彩色はさらに「暖色系」と「寒色系」に分かれます。 赤や橙などの暖色系、そして青を中心とした寒色系に大別できます。 緑や紫などはどちらにも属さないことから、「中性色」といわれています。 色の「明度」は識別パレットにもあるように、一番上に位置する「黄色」が最も明度が高く、一番下の「青紫」が最も明度が低くなります。 色はそれこそ無限にありますが、大きく12色に分類することができます。 これを「12色相環」と呼んでいます。 それでは それぞれの色の特徴を見ていきましょう。 ●暖色系 暖色系はひと言で表すと「動」です。 パワー、情熱、太陽、エネルギーなどを表し、人間本来の血が騒ぎ、気分が高揚する色です。 少し大げさですが、戦闘色ともいわれます。 スポーツチームのユニフォームに赤が多く使われたり、アメリカの選挙などで候補者が赤いネクタイをしたりするのは、赤が勝負に勝つための色だからです。 とにかく、見るものを元気に、活動的にしてくれるのが暖色系です。 気分の高揚や新陳代謝を促す暖色系には、食べ物をおいしく感じさせ、食欲をそそる働きもあります。 なので 暖色系のカクテルは乾杯のドリンクやアペリティフとして最適です。 食欲も促しますし、場の空気を和ませ、会話を弾ませる作用もあります。 また 暖色系のなかでも黄色やオレンジはビタミンカラーと呼ばれ、ヘルシーなイメージがあります。 明るい雰囲気づくりや食事をおいしく見せるために欠かせない色といえるでしょう。 バーテンダーの方が暖色系の服を着用する機会は少ないと思いますが、例えばコンテストの時に勝負カラーである赤のネクタイをしてみたり、楽しい雰囲気を演出する際に黄色やオレンジの小物を使ってみたりすると、意外な効果が生まれるかと思います。 ●寒色系 暖色系とは対照的に寒色系をひと言で表すと「静」になります。 精神面に安定をもたらし、心を落ち着かせるカラーです。 キーワードにすると、冷静、慈愛、純粋、浄化、誠実、内省、清潔などになります。 ですから、本を読んで過ごしたい、ゆっくりと考え事をしたい、集中力を高めたい、そんな時には寒色系の色が効果を発揮します。 その延長として、寒色系の色には都会的、シャープ、知的といったイメージもあります。 政治家やエグゼクティブの方がネイビーのスーツに、ブルーのシャツとネクタイを合わせるのはこのためです。 バーのインテリアや照明を寒色系でまとめると、クールで落ち着いた雰囲気になります。 それから 青に限っていえば、人間は根源的に青という色に「憧れ」を抱いてきました。 なぜなら自然界に青が存在しないからです。 海や空も青いのですが、これらは純粋な色としての青ではありません。 なので 寒色系、特に青には「憬れ」という心理作用もあります。 ●中性色、緑、紫 緑、あるいは黄緑は、自然界にあふれる植物のカラーです。 自然や人との調和を重んじ、バランス感覚に優れ、リラックスした状態を促す色です。 キーワードにすると、癒し、リラクゼーション、安定などとなります。 さらにグリーン系で大切なことは、生命力を表す色だということです。 例えば 生まれたばかりの赤ちゃんを「みどりご」と呼んだり、美しい黒髪を「みどりの黒髪」と呼んだりするのはグリーンが生命力を表す色だからです。 緑や黄緑は、癒しだけでなく、生命力を感じることができる、つまり元気になれる色なのです。 紫は、赤の情熱と青の内向性を兼ね備えた色です。 紫のキーワードは、高貴、神秘、魔性、精神性となります。 特に日本人にとっては、昔から高貴な色とみなされてきました。 貴族や位の高い人々が紫の着物を着用したり、紫の小物を身に付けたりしたのは「高貴」に見られたいという心理作用が働いていたためです。 ●無彩色 前述のように、無彩色は自然界においては特殊な色です。 特殊な色だからこそ、冠婚葬祭などに用いられます。 ちなみに 黒はプロカラーと呼ばれ、各方面のプロフェッショナル、つまりは特殊な職業の方が着用する色とされています。 俗に言う「黒服さん」です。 バーテンダーさんが黒を着用するのは、その道のプロフェッショナルだからに他なりません。 その他 フォーマルなパーティーなどにも用いられますが、これも無彩色の特殊性からくるものです。 キーワードは、白が崇高、潔白、清廉となり、黒が厳格、厳粛、高尚となります。 他にも色にまつわる話は色々ありますが、とうてい書ききれませんので、またの機会に・・・ 尚、色については過去ログに「ORIGAMI」、「古代の色彩」、「丹色」があります。 お時間のある方はこちらもどうぞ。 なぜか大学からアクセスの多い別ブログ ●別ブログ5/27の新着は「なりすまし 実証」 前回は「豚インフルエンザに漢方?」 こちらも見てね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年05月31日 12時16分07秒
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