デタラメと確率、思い込み
お正月3が日も終わりました。 初詣や年始回りなどに出かけられた人も多いと思います。 3が日、お天気が崩れなくて良かったですね。さて、どこも出かけず、家で三昧の方もいると思います。 そろそろお正月番組にも飽きてきたのではないでしょうか?それではちょっと数字遊びをしたいと思います。前回の「高確率」以来、久々の確率論です。といえば、「そんな難しいのはイヤ!」と言われそうですが、大丈夫。 そんなに難しいものではありません。 マルクスやニーチェなんて出てきませんから・・・あなたは私と同じくマジメ?な性格でしょうから、「何かをデタラメにやる」ということは苦手かもしれません。 でも 意に反して?、デタラメさに挑戦してみませんか? 「あなたのデタラメ度測定器」を紹介します。 これは、「0から9までの数字をデタラメに入力」して、それがどの程度「デタラメ」であるかを統計的に判断する装置です。 「デタラメ度測定器」←クリックいかがでしたか? デタラメに数字を入力するには、かなり神経を使ったのではないでしょうか。例えば、数字を押していくとき、「同じ数字はなるべく連続して使わないようにしよう」 「1つの数字は、10回に1回は使おう」「キーボードの右端から、次は左端から」 などと心理的にいろいろ気配りをしながら、押していった方もいるのではないでしょうか? しかし、「1つの数字は、10回に1回は使おう」ということを律儀に守ったら、そのことが規則となり、「デタラメ」ということではなくなってしまいます。 このように、「デタラメ」ということは案外難しいことなのです。ということで、本日のお題 「デタラメと確率、思い込み」尚、昨日のお題は 「ITが語る信憑性」←ご覧になってない方はこちらもどうぞさてここから、「デタラメ」さということについて、もう少し突っ込んで考えてみましょう。 「0から9までの数字をデタラメに入力する」ということは、「何回もやっていくと、それぞれの数字の出現確率が、究極的に1/10に近づいていく」ということです。 それぞれの数字の出現確率がどれも同じですから、このことを数学では、それぞれの数字は「同様に確からしく」出るといいます。 このことは決して、「10回やると必ず1回ずつ0から9の数字が出ること」を意味するのではありません。例えば、「・・・1,1,1,1・・・」というように、「1」が4回続けて出ても不思議ではありませんが、そのようなことは滅多にない(1/10,000の確率で起こる)こと、ということができます。 一般に、確率ということの意味を正しく理解することは案外難しく、奥の深いものです。 この理解が不十分であると、人間の心理と偶発的な出来事の間で、思わぬ混乱が生じます。 例えば、 月にウサギが居るか居ないかを議論しているとき、「居る居ないの2通りのうち、居るのは1通りだから、確率は1/2である。」という誤った思い込み。 「1・1・1・1」のように「1」が何回も続いた後、次に「1」が出る確率はやはり1/6であり、「1」以外の数字が出る確率が高くなるような気がするのは錯覚です。 そう思い込んでしまってるだけなのです。このような混乱は、人間の感覚の中で、既に起こった出来事とこれから起ころうとしている出来事を明確に区別して捉えていないことや、それらの出来事を表現する言葉の言い回しの不明確さに起因しています。 確かに、「1・1・1・1」のように1が4回続けて出る確率は1/1296なので珍しいことであり、さらに、「1・1・1・1・1」のように5回続くことは1/7776とさらに珍しくなります。これらの確率は、サイコロを5回振るとき、「1・1・1・1・1」~「6・6・6・6・6」までのあらゆる出方に中で、「1・1・1・1」と「1・1・1・1・1」の出る確率のことです。すなわち、これらの出来事が全体の中でどの程度珍しいかの度合いを示したものです。 しかし、このの場合は、既に「1・1・1・1」という珍しい出来事が起こった後で、次に「1」が出る度合い(確率)を議論しているのであり、それは1/6である、ということになります。全体の中での議論ではなく、「1・1・1・1」が出た後で、さらに次に「1」が出る確率を議論しているわけです。 このように、議論している状況を明確にしないと混乱が生じます。 よく注意しないと、議論の対象がずれていることがよくあります。錯覚、