世界中がヒット商品だらけにならない理由
あなたが自分の商品・サービスを売るとした場合を想像してみていただきたい。どんな広告を打つだろうか?他の商品にはない独自の特徴を、もっとも良く表現しているものを選ぶ。あまり誇張しすぎず、信じてもらえる程度の押しの強さのものを選ぶ。キャッチコピーなどは記憶しやすいものを選ぶ。いろんなベストと思われるチョイスがあるはずである。そう思ってチョイスされたベストな広告が、世界中で流れている。しかし、売れる、ヒットする商品は、ほんのわずかである。なぜか?そもそも、ヒトは広告を見ないのである。テレビで大量に広告が流れている。雑誌や新聞に溢れんばかりの広告が掲載されている。チラシやDMが毎日毎日わんさか来る。これらは、もはや単なる日常風景である。そこに注意は払われない。もっと言うと、目の前で広告が流れても(例えばTVCM)、それを記憶するだけの注意すら払わない場合がある。ヒトは自分の関心のある情報にしか、脳ミソを開放しないからである。例えば男性の方、ファンデーションの広告を思い出すだろうか?もし思い出したとして、商品名を覚えているだろうか?もし商品名を覚えていたとして、メーカー名は覚えているだろうか?広告は大量に流れている。男性もファンデーションの広告(例えばTVCM)に接触しているはずである。でも思い出せない。思い出せないのではない。脳ミソが、自分にとって意味のない情報の記憶を、嫌がったのである。無意識のうちに。では、広告はどうすればいいのか?消費者に自分事と思わせるのである。例えば、行き付けのバーにくしゃくしゃにした紙が置いてあったとする。何気なく見たら、「極秘」の文字。どうやらどこかの新商品開発に関する社内文書らしい。そこにはURLが・・。覚えたURLに、家でついついアクセスしてみる。すると、ものすごい極秘情報が・・。これは手のこんだ広告である。実話である(海外事例)。広告に関心をもってもらうために、伝える内容や、キャッチコピーを工夫したのではなく、そもそも広告のあり方を工夫したのだ。広告は、ヒトの脳ミソとの戦いである。今日も、広告は大量に出稿されていく・・。