あなたは情報を信じない!?
マス広告で言っていることをすぐには信用しない、だからマス広告をやっている商品をすぐに買うこともない、という話を前回の日記に書きました。では、マス広告は必要ないのか?そんなことはありません。多くの企業が今日もマス広告を流しています。その役割は何なのでしょう?実はマス広告に限らず、人間はヒト(知らない他人)から与えられた情報は疑うクセがあります。チラシだってそうです。「豚バラ100グラム48円!」という事実は信じます。でも、実は劣悪な肉なのではないか? などの疑いが生じてきて当然なのです。或いは、訪問販売でもそうです。いくらかっこよくて若いセールスマンが来ても、口で言っていることはたいてい信じないし、ましてや即、購入したりしません。ヒトは防衛本能で、他人の情報をすぐには信じません。情報をくれるということは、そのヒトにとって得することで、自分にとって得するかどうかはわかりませんから。いやもっと言うと、自分は損するのはないかと思うわけです。そう思うのが正常な脳みその働きです。ヒトは(赤の)他人がくれた情報はなかなか信じません。自分から探した情報は信じます。そういうものなのです。では、マス広告をどのように活用すればいいのか?マス広告を行うという「態度」を見せればいいのです。我が社は、マス広告を行います、即効果が出るわけではないマス広告をあえてやります、我が社は、会社の考え方、ポリシーとして、マス広告を活用します・・そんな「態度」を見せればいいのです。マス広告は即、売上には結びつきません。しかし、安心感や一流感は伝えます。店頭で「あっ、この商品、テレビ広告で見たことある」と思ったことはあるでしょう。そのとき感じているのは、テレビ広告でやっているのだから、やっていないものより安心かも、という気分ではないでしょうか?マス広告は即、売上には結びつきません。しかし、企業のセンスや企業の意志は伝えます。「♪燃焼系、燃焼系、アミノ式・・」と歌えるヒト、多いのではないでしょうか?「♪ビーバ純生、ビーバ純生・・」と歌えるヒト、これも多いのではないでしょうか?どちらもサントリーのCMです。昔からサントリーは「モルツ」だったり、「ペプシマン」だったり、「ダカラ」だったり、「BOSS」だったり、「何も足さない、何も引かない」の「山崎」だったり、たいへん優れたセンスのCMを流しています。CMをやれば売れるというわけではありません。でもサントリーの広告は常にハイレベルなものを流し続け、企業文化にまでなっています。サントリーを一流会社と言って疑うヒトはいないでしょう。サントリーの例はあまりにも多額の予算を広告費に当てている例で現実的ではありません。しかし、小さな会社でも例えば時間帯を絞るとか、期間を絞るとか、エリアを絞るとかして、効果的にテレビ広告を流し、企業全体のイメージアップ(=最終的には売上につながる信頼感や安心感)を獲得している企業はたくさんあります。マス広告、特にテレビ広告は、利用できる企業が限られているから成立しているのです!ベンツと同じです。買えるヒトが限られているから、買ったヒトは、買っただけであるイメージを身にまとうことができるわけです。テレビ広告は、テレビ広告を出稿するだけで、安心感、信頼感、店頭での差別力を獲得することができるものなのです。ですので、「ウチの会社はテレビ広告をあえてやります」という広告に対する企業姿勢、「態度」をうまくアピールすればいいのです。それを直に売上に直結できる方が例外。全く新しいカテゴリーが開発された時は、テレビ広告→売上となる場合が多いです。例えばウォークマンが開発されたときなど。テレビで知らせれば、イノベーターが店頭に走ったわけです。或いは100円ぐらいで買える飲料なども、テレビ広告→売上となる場合が多いです。テレビ広告で目に付けば、街中で見かけたときに1回ぐらい買ってみるか、という気持ちになります。100円程度ですし。しかし、どのケースも前提として十分な出稿量が必要になります。マス広告の使い方。結構深くて面白いです。