新!私的熱帯魚図鑑 vol.004
アカヒレ その4 ベトナムアカヒレ 長年に渡りアカヒレは一属一種、つまり近縁種は存在しないとされてきましたが、最近ではアカヒレ属は3種記載されているようです。今日の画像の個体はそのうちの1種でミカゲンマエ種(Tanichthys micagemmae Freyhof&Herder,2001)で、我が国では生息国にちなんでベトナム・アカヒレという名前で流通している様です。 本家アカヒレに比べると一回り小さ目のサイズで、せいぜい全長3cm程度と、これまた小型水槽のタンクメイトにもってこいのサイズです。アカヒレに比べれば、通常の熱帯魚並みの保温が必要と言う点で少々手間がかかりますが、それでも温和で丈夫なすばらしい観賞魚です。外見はアカヒレに良く似ていますが、体側部のブラックラインが太く明瞭な点でアカヒレと区別する事が出来ます。 撮影時にはまだ未成魚で色彩的にも地味ですが、以前ドイツのショップで見かけた個体は体がパープルに鈍く輝き、尾柄部のレッドスポットも燃えるような鮮やかな真紅でかなりの美麗魚でした。ちなみに、我が家では撮影後これらの個体は、友人たちが不要になった魚を勝手に入れに来る(苦笑)3本の120cm水槽(通称「タコ部屋水槽」)の中に収容され、まもなく姿が見えなくなってしまいました(涙)。副業のせいで、一般熱帯魚用小型水槽の確保がままならず、多くの小型魚はこれら大型水槽で混泳って事になっちゃうんですが、一応全長5cm前後の魚だけが収容してある120cm水槽に入れたんですけどね~。日常の水質管理などは手抜きなくやってましたし、丈夫な魚だけに簡単に死ぬとも思えません。気の荒い同居魚もいませんでしたから、むやみやたらに繁茂したミクロソリウムの間で人目につかないようひっそりと生きながらえ天寿をまっとうした、。・・・とここでは無理やり考えたいところではあります。 そして、アカヒレ第三の魚 Tanichthys thacbaensis Nguyen&Ngo,2001 に関してですが、この種もベトナムに生息しているようですが、実物を見たことがないのでどんな魚か判りません。ただ、最近我が国にラオス・アカヒレと言うアカヒレの一種が入荷しているようなので、これがこの種なのかもしれません。生息地はラオスじゃないけど、もともとラオスの魚なんて我が国にダイレクトに入ってきませんから、大方バンコク辺りのシッパーから輸出されたんでしょう。タイ人の気質から言って「ああ、この魚はベトナム産だけど、既にベトナム・アカヒレって言うのがいるからなぁ・・・。よしっ、ここはラオス・アカヒレって言うネーミングで行っちゃえ!」(笑)、って言うシチュエーションは十分に想像出来ます。