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カテゴリ:イスタンブールで人と会う
【8月24日・月曜日】 昨日、豪雨の中で、水兵さんが甲板掃除をするように、中腰でデッキブラシを使い、ずぶ濡れになって濁流の進入を止めようと必死に働いたので、さぞかし今日は腰痛とか筋肉痛に見舞われるのではないか、と内心は恐れていたのだが、どうしちゃったの、72歳、全然どこも痛くならなかった。 ただし、今日のうちに幾つも連絡を取らなければいけない用件があって、早朝6時半頃からブログ一篇を書き終わったあと、トルコ語のメールや、日本語のメールを書いて、その続きのやり取りでまた、夕方までかかってしまった。 しょうがないなあ、こういうことをやめないと、翻訳に復帰できないよ、とぼやきながら家の猫達に缶詰2種類を混ぜた餌をやり、外猫には肉汁と、缶詰を混ぜ合わせた餌を作って配り、友達のユウコさんとの待ち合わせ場所に、タクシーで急いだ。 七夕・ユウコさんと書いたのは、4,5年前から毎年夏、イスタンブールで休暇を過ごすとき、私に必ず会いに来てくれるので、年に一度、夏場に出会う機会しかない牽牛と織女にちなんで、私が勝手に付けたニックネームである。 ユウコさんは聞き上手と言うか、私が何か話をすると、「え、それで、それで?」と意気込んで聞いてくるので、どこかの特派員にインタビューでもされているかのような感じで、知らない間に私の言ったことが記事になってどこかに出ている、なんてことはないだろうね、と思いながら喋ることがある。 今年は先週メールが来て、既にイスタンブール入りしており、何やら美味しいお土産を用意してくれたのだそうだ。そして、たいそうお気に入りの店があるので、夕飯でもご一緒にいかがですか~、と言う。 私は食べ物につられやすい性格なのでもちろんOKし、それが今日のお約束なのだった。イスティクラール通りの横丁を少し入ったところにある店で、時刻が早いせいか、まだ先客はなかったが、お昼はめっちゃ混むんですよ~、と彼女は笑った。 トルコの少数民族の一つで、チェルケズ人と言う人達がいるが、そこの料理が中心だそうだ。チェルケズ・マントゥがお気に入りのユウコさん、「これって、餃子にそっくりなんですもの」とまた今日もマントゥを食べると言う。 私はパズ・イエメイを頼んだ。パズというのは野沢菜とか高菜のような大きな葉の野菜で、それを刻んでニンジンなど他のみじん切りの野菜と炒めてから煮込んだもの。それにヨーグルトをかけて食べた。彼女のマントゥも分けて貰い、ボレッキとピラフも頼んで、ビールで乾杯する。 今年の主な話題は、やっぱりメフテル軍楽隊のコンサートの話が中心で、ユウコさんもぜひ、近いうちに連れて行って下さい、と予約の申し込みがあった。 コンヤのメヴラーナの話、海泡石の話、とにかく、私達が話をすると話題があっちこっちに飛ぶので、たまに軌道修正が必要になる。 「あ、それでさっきの話の続きだけど」と、もとへ戻ることが度々ある。 食事の後は、私が最近見つけた穴場のカフェ。青空天井にツタが密に絡んだとある路地の一角で、昼間なら日陰になってとても涼しいところである。そこでまた第2ラウンドのお喋りで、彼女が持ち出したのは日本の憲法改正法案、シリアの難民問題、日本の指導者の危なさ、それでも与党内にも野党にもその人以上の人材がない、というのと、トルコのディクタトール(独裁者)も、昔はよかった、という私の懐古談。 いつの間にか夜も更けたので、タクシーを拾い、ユウコさんの借りているアパルト・ホテルに先に寄って、それから私は家に帰って来た。今年はユウコさんが9月末くらいまで滞在出来るそうなので、「もっともっとお会いしたいわ」と言ってくれるため、そういうことになりそう、デス。 すごい坂道を下っていくと、似たようなアパルトマンがずっと並んでいます。 8月11日撮影の、坂道の写真。ちょっとこういう感じのところ。 でも、彼女が降りて私だけになるとまだ若い運転手さんが言った。 「マダム、お友達はどうやってあそこで家を見つけたの?」 「毎年、インターネットで見つける、と言ってたわ」 「そうかあ、でもインターネットでは見つけられても、いざ住んでみたら、お出かけの帰りには自分一人じゃ見つけられないよ、あそこじゃなあ。来年はマダム、あの人の宿探し、あんたが手伝ってやりなよ」 アントニーナ・アウグスタ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年08月25日 16時05分54秒
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