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カテゴリ:イスタンブールで人と会う
【9月11日・金曜日】 10日の晩に、生ハムとワインをお土産に頂いたあと、「いろいろお手数をかけました」と和貴子さんの誘ってくれるままに、夕食も頂くことになり、カラキョイの船着き場の前にあるオリンピアット・レストランを勧めると、「ではそこに行きましょう」ということになった。 9時半頃、歩いたりバスに乗ったりして出かけ、オリンピアット・レストランに着いた。2人であれこれ喋りながら、2時間くらいの間に750mlのワインの大瓶を空にしてしまった。 いつの間にか12時を回っており、シェフガルソン(ボーイ長)のドゥルスンさん達が知らぬ間に、私服に着替えているのを見て慌てて席を立った。タクシーでまず和貴子さんをホテルまで送り、それから家に戻ってパソコンを立ち上げたが、さすがにすぐ眠くなり、メールの返事を書いていても画面に向かってお辞儀ばかりしてしまい、ついに諦めて寝床にもぐりこんだ。 そして今朝は、10時頃トラムワイのカラキョイ駅で落ち合うことにしたのだが、和貴子さんの部屋が急に変更になったとのことで、広げた荷物をまたスーツケースに詰め直したりの作業の必要が生じ、12時に待ち合わせを延ばした。 そして12時、首尾よくカラキョイ駅前で出会えたので、トラムワイに乗ってグランド・バザールのナーディル・ドヴュス・ビューロス(両替店)に行くと、古参の店員エルシャンさんがすぐにりんご茶を振る舞ってくれたが、それとほぼ同時に、他の従業員が入り口のドアを閉め始めた。 金曜日だったので、これから店の全員がヌル・オスマニエ・ジャーミイにお祈りに行くため、3時まで閉店します、と言うのだった。いい具合に両替が間に合い、ほっとした。 和貴子さんは13日の夕方、サビハ・ギョクチェン空港からカッパドキアに3~4日出かけるが、彼女がイスタンブールに帰るころ私は入れ換わりにコンヤに行ってしまうので、彼女が日本に帰国する20日の朝だけしか会うことが出来なくなる。 一人でグランド・バザール周辺に来ても安全に買い物が出来るように、私はグランド・バザール周辺の信頼できる店を紹介し、電車通りに出て、スルタンアフメットの世界遺産歴史地区の大まかな外観を見て貰った。 そのあと、どちらも朝食を食べたきりだったので空腹を覚え、電車通りのレストランで早目の夕食を取った。グラス・ワインを注文し、食べきれないくらいの料理が並んだが、けっこう食べてしまうもので、これもせめて自分の分だけでも、と折半するつもりで財布を出すと和貴子さんは押しとどめた。 「由美子さん推薦の、タキシムの男くさいと言うバーに連れて行って下さい。そこでラクを飲みたいわ。それをご馳走になります」 私達はトゥルンジュ・パンパンでラクを飲み、和貴子さんはイスティクラール通りを見ながらテュネルに近いホテルに戻り、私はあたふたと坂を転げそうになりながらも、猫達の餌やりのために家路を急いだのだった。 外国暮らしの長い人には、もちろんいろいろなタイプの人がいるので一概には言えないが、裸の王様になっているバカもいるし、苦労した分、本当に輝いている人もいる。 和貴子さんからのメールは、自分の望みや条件ははっきりと箇条書きにして、たくさんあるのだが、それが単にビジネスライクなのではなく、相手思いの言葉に満ちており、実際に会って見ると向かい合っている人への温かな視線が感じられた。 このところ、嫌なことが続いている人間不信気味の私にとって、出会えてよかった和貴子さん、しかも赤ちゃんの時から知っているタツヤ君の姑さんという、思いがけないご縁、でも、コンテンポラリーな話題に溢れた話上手の素敵な中年女性で、無芸大食の私とは違い、見た眼もすらっとかっこいい、いわゆるハンサム・ウーマンだし、ちょっと見習わなけりゃあ、と思うことがたくさんある。 でも、いまさらタンゴは踊れないなあ・・・私ときたらタンゴでも何でも、踊ればたちまち盆踊り風になってしまうに違いないのでちょっと、駄目かもね・・・ ハンサム・ウーマンになりたい願望はあっても、私の場合体重が邪魔して・・・ アントニーナ・アウグスタ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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