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madamkaseのトルコ行進曲

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 marnon1104@ お久し振りです (。≧ω≦)ノ!! kaseさんのお誕生日だったのですね。 お元…
 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
 madamkase@ Re[1]:渡航記念日(03/16) 高見由紀さんへ こんにちわ、イスタンブ…
 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2015年09月25日
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【9月25日・金曜日】


 バイラム2日目の今日は、かねてから約束していた友人七緒さんの夫君イブラヒムさんをメフテル軍楽隊長のデニズ少佐に紹介する日である。

 軍楽隊はこのクルバン・バイラムの初日こそ、軍事博物館も閉館だったのでコンサートをしなかったが、今日25日と明日26日、あさってのバイラム最終日27日の3日間、連続で公演することになっていた。

 デニズさんはコンサート後用事があって、すぐに退出しなければならないので、コンサート前の1時間、イブラヒムさんのために時間を割いてくれることになり、私達は午後1時半に少佐を訪問したのだった。

 メフテル軍楽隊の建物の2階、涼しい風の吹き抜ける少佐の部屋に通され、イブラヒムさんが早速挨拶し、自己紹介するとデニズさんはまるでしばらくぶりに弟が会いに来たかのように、目を細めてイブラヒムさんに差し出した大きな右手で、彼の手をしっかりと握った。

 七緒さんからデニズさんの人となりを聞いていたらしく、イブラヒムさんもデニズさんに親しみをこめて話し始めた。私も彼とは初対面だった。28歳と言う年齢からすると、ずっと老成した感じの低音の声と落ち着いた話しぶりに惹かれるものがあった。

 デニズさんとイブラヒムさんの会話を聞きながら、七緒さんと私も何度も顔を見合わせ、「よかったね、イブラヒムさんがデニズさんに会えて」と、この男性2人の出会いを自分達が実現させたのだ、という嬉しい思いでいっぱいになった。

 イブラヒムさんはまだ学生時代にお父さんが急逝し、学業を続けることが出来なかったので、通信教育で高校課程を学びながら、義務兵役を終わり、しばらくコンピューター関連の仕事をしていたのだが、数年前に体調を崩し、疾患と闘いながら七緒さんや家族の励ましで、再び学業を続ける決心をしたという。

 やがて大学の受験資格を得るために、高校課程の後半の期末試験を控えていたために、デニズさんと私が企画してこの夏しばしば実施していたコンサート後のガーデンパーティには夫婦揃ってくることが出来なかったのである。

 イブラヒムさんがそうした状況の中で勉強中、というのを聞いたデニズさんが私も初めて聞く話をしてくれた。

「私の妻もあなたと同じ頃父親を亡くし、働きながらやはり通信教育で高校を修了、結婚後、子育てをしながらも常に勉強して大学まで卒業し、今は修士課程で教育コンサルタントの資格を取る勉強中ですよ。私もずっと彼女の勉強を応援してきました。幾つになっても向学心のある人を尊敬します」と言い、私の方を見て「ね?」と言うように笑いながら両目を一瞬細めて見せた。

 ムムム、私のことも言っているのかな。

 ああ、それにしてもよかった~、イブラヒムさんにはお兄さんがいるが、これならもう1人頼もしい硬骨漢で気は優しい兄貴が出来たような雰囲気ではないか。デニズさんは今度はイブラヒムさん夫妻の方を向いた。

「ユミコさんにはいつも素晴らしいお友達を紹介して貰っているんですよ。イブラヒムさん、君と会えて私も嬉しいですよ。これからは時間のある時、コンサートなり、私のところになり、いらっしゃい。遠慮はいらないからね」とデニズさんはイブラヒムさんに優しい声で言った。

 とてもさわやかで嬉しいひと時が過ぎ、やがて私達もデニズさんの着替えの時刻が迫って来たので暇乞いをした。

konser  
お天気がいいので中庭からの行進です。ジャンジャジャジャジャン!

deniz  
メルハバ~、メフテル・バシュ!と隊員に呼ばれて登場する隊長デニズさん

selam  
きりりとした顔で1曲終わるごとに聴衆に挨拶をします。


 舞台の後ろの大扉がいつ開くか、待ち遠しかった。演奏曲の3~4番目にデニズさんは、イブラヒムさんの一番好きな「オスマン・パシャ・マーチ」を聴かせてくれた。イブラヒムさんはやはり子供の頃から軍楽隊ファンだったようで、たくさんの曲を知っており、演奏中も夫婦して小声で口ずさんでいるのが微笑ましかった。

 コンサートが終わって立ち上がると、イブラヒムさんは「退場行進の時もこっちを見て目で合図してくれましたね、デニズさん」と嬉しそうに言った。これで彼のモチベーションがぐっと高まったのは間違いない。

 いい時に、いい出会いを演出することが出来た、と私も嬉しかった。帰り道、3人で軽食の店に寄り、チャイを飲みながら大いに話が盛り上がり、イブラヒムさんのホントのお兄さんが帰りの遅い弟夫婦を心配して電話をかけて来るほど話しこんでしまった。


 6時過ぎに名残惜しいが席を立ち、右と左に別れた。私は帰り道の途中にある優曇也レストランで夕食を食べて、もう空がすっかり暗くなり、お腹をすかしている猫達にちょっと気兼ねしながら家に帰ったのだった。
 









   かに座さそり座いて座
かに座さそり座いて座



madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)




猫猫「チュクルジュマ猫会」猫猫




海泡石のパイプやアクセサリーと、「宮古島月桃」の買える店

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Last updated  2015年09月30日 00時26分28秒
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