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カテゴリ:イスタンブールで人と会う
【10月12日・月曜日】 エミニョニュのバス・ターミナルのそばにあるズィンダン・ハン上階からの眺め 国民服喪の2日目、朝のうちエミニョニュの店にいる美保子さんに会いに行き、美樹さんや美由紀さんとお揃いのシワス土産の角櫛を渡して、お母さんの病気見舞いの日本行きを明日の朝に控えている彼女との、しばしの別れを惜しんだ。 2時半にはエミニョニュからバスに乗ってたいそう久しぶりに軍事博物館のあるハルビエに向かった。コンサートは見たいが月曜の閉館日なので演奏も休み、たぶんデニズさんも月曜が休暇の日だった。 クルバン・バイラム2日目だった先月25日は友人の七緒・イブラヒム夫妻と、26日は自分一人で、と続けてメフテル・コンサートに行った。 クルバン・バイラム最終日の27日はさすがに遠慮して行かずにいたのだが、その後あれよあれよという間に10月となって、私はシワスに行った。帰って来たらすぐにアンカラのテロが起こった、というわけで、ずい分メフテルの人々とも音沙汰なしに過ごしてしまったのである。 特に総務課長のメティンさんとはコンヤに行く前に会ったきりである。昨日の朝、アンカラの事件で、彼とデニズさんにお悔やみのメッセージを送ったところ、2人から丁寧にお礼のメッセージが届いた。 メティンさんが「明日は絶対軍事博物館においでよ」と言うので、美保子さんの店でバクラバその他を詰め合わせにして貰い、久々に出かけて行ったのである。 「加瀬ハヌム、1ヵ月近くも私を放り出してどこにいたんです。もっと頻繁に顔を出してくれないと寂しくなるじゃないですか」 「う~ん、そうよね。私も思いは同じだけど、この夏、変なヤツを連れて来たばかりに、あなた方にご迷惑を掛けそうになったので、なんだか来づらくなったのよ、正直なところ」 「そんなことはない、考え過ぎです。誰が来ようとあなたはあなた、あなたのお席は我々の頭上にあるんです(トルコ独特の敬意の表現)。そうだ、近いうち、12時に間に合うように来てくれたら、お昼を一緒に食べましょう。いいでしょう?」 「わぁ、ほんと? もちろん喜んで」 4時ちょうど、次に会う予定の友人の明美さんから電話が来たので、帰り支度を始めたら「どこへ行くんです」とメティンさんが私をいぶかしげに見て言った。 「友達が博物館の正門に到着したと言うので、そろそろお暇します」と言うと、メティンさんはすぐにエル(兵卒)の1人を門まで走らせ迎えに行かせてくれた。 お陰で私達の一杯目のチャイはそこで頂くことになり、気さくなメティンさんはもう彼女の家の方向を聞いて、そちら方面に行く送迎バスで送ってあげよう、と言いだし、内線電話の受話器を取り上げた。 今来たばかりなのにぃ・・・メティンさんは底なしに親切なのだが、こういう、せっかちな一面が微笑ましくもあり、私は、 「せっかく手配してくれているのにすみませんけど、あの、私達は2ヵ月ぶりに出会ったのでちょっとお喋りしてから帰りたいの。送迎バスはまたの機会にお願いしますよ、メティンさん」と言った。 「あ、それもそうだね」とメティンさんは苦笑して受話器を置いた。 「なんてご親切な方なんでしょう。メティンさんもデニズさんも素敵な息子さん達ですね」と明美さんもすっかり感じ入った様子。5時少し前、私達は暇乞いして軍事博物館を出た。 かくてその日は明美さんとタキシム方面に向かう大通りを歩きながら、途中で気に入ったカフェがあるのでそこに入って、会えなかった2ヵ月余りの間の出来ごとに一喜一憂しつつも、再会の喜びのひと時を過ごしたのだった。 アントニーナ・アウグスタ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年10月17日 17時41分02秒
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