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カテゴリ:イスタンブールで人と会う
【11月22日・日曜日】 昨年後半に10月と11月、2回続けてダウン・カフェの日本食の日を担当することになり、10月は無事ラーメンの日を開催、縁(ゆかり)さん、美樹さん、美由紀さん、ギュルセレンさん、娘のブケットさんの協力でたいそう大勢の皆さんに、昔取った杵柄の手打ちラーメンを味わっていただくことが出来た。 ところが、11月の「きりたんぽの日」では本番3日前に、家のサロンで掃除機のコードに爪先を引っかけ、あざやかな背負い投げでも食らったように宙に浮き、右肩から落下して、一瞬気が遠くなるほどの打撲傷を負ってしまったのだった。 幸いそのときもちょうど、わが家に2週間ほど逗留していた岡崎伸也・陽子夫妻に手伝って貰い、縁さんとダウン・カフェの女性コック長と助手の協力で、私が秋田県鷹巣町の本場で覚えた郷土料理を披露出来たのだった。 昨年の画像から「きりたんぽの日」 きりたんぽの日は晒で腕を吊り、動かさないように気をつけて出勤です。(2014.11.16) 1日前の仕込み。本当はたんぽを串に巻き付けたら、囲炉裏で遠火でゆっくり 回しながらあぶるようにしてうっすらときつね色の焦げ目を付けて行くのです。 カフェのコンロは強過ぎるのであっという間に真っ黒焦げ、 自宅に持ち帰り、これならこんがりいい色に焼けています。 岡崎さん夫妻と家で真夜中まで働き、合計65本を焼きあげました。 たくさんの野菜や乾燥の山菜類なども混ぜて、なかなか豪華なきりたんぽでした。 さて、このダウン・カフェの催しに何度も参加して、売り上げに貢献してくれたレイラさんというトルコ人の女性がいて、ちょうど1年前のラーメンの日、きりたんぽの日と続けて来てくれたので、親しく言葉を交わし、いまに一緒にゆっくりとチャイをしましょうと約束したのだが、果たすことなく年が明け、今年に入ってから私自身もエルトゥールル号の映画に通訳として雇われたりしたので、何ヵ月も会う機会がなかった。 Leylaさんと私。去年11月16日の最後に出会った時の写真。 友人の七緒さんがFacebookでレイラさんと知り合い、私の消息を尋ねられ、今度3人でチャイでも飲みましょう、と言う話になって、私の都合を聞いてくれた。 初夏の頃からずっと、ランデブーの日にちをいつにしようか、いつにしようかと、七緒さんが間に入って何度も連絡を取ってくれたのだった。 そうこうしているうちにまた何ヵ月も経ってしまったのだが、とうとう出会いの日が来た。 レイラさんがまだ一度も行ったことがない、というメフテル軍楽隊のコンサートを聴いて、そのあとティータイムを過ごそうと言うことになったので、七緒さんと3人で、軍事博物館の前庭で2時半に待ち合わせ、ジハンギル・タクシーを呼んで出かけて行った。 七緒さんとも9月25日以来出会っていなかった。2人で本館に入って行き、レイラさんに「どこにいますか」と七緒さんがメッセージを打つと、既に展示室を回って見て歩いているのだそうだ。 では3時ちょうどにコンサート・サロンで会いましょう、と七緒さんが書き込んで送信したあと、私達も長い廊下を歩いてサロンに向かった。 3時10分前、会場に入ると今日は場内整備係として、黒い背広姿で任務についているデニズ少佐付きの兵卒ムザッフェル君と出会った。 「ムザッフェルさん、久しぶりね。お元気?」 「はい、元気です。ありがとうございます。加瀬ハヌム、今日はデニズ少佐がコンサートに出演されます」 「あら、じゃあ休暇が明けたのね!」 「はい、今日から出勤されました」 そこで私はデニズさんに電話して挨拶し、久しぶりにデニズさんが指揮に戻られたので喜んでいます、と伝えた。 今日のコンサート・サロンでの演奏はフル・メンバー、観覧席にもたくさんの聴衆が詰めかけていたので、場内にはかなり熱気が籠っていた。 22日・日曜日、チョルバジュ・バシュの冒頭の挨拶。 デニズ少佐も休暇明けで久々の本拠地での演奏です。チョーかっこいい。 Koszen(キョスゼン、大太鼓奏者)この人の右腕も相変わらず元気なのが嬉しいです。 勇壮な演奏にレイラさんは目を瞠り、スマホでしっかりとほぼ全曲をビデオに収録、また来ましょうね、と七緒さんや私に何度も言った。3人とも大満足で会場を後にし、ハルビエの軍事博物館から程遠からぬカフェに入った。 レイラさんはこの1年ほど、ダウン・カフェの毎月恒例の和食の集いが全くなくなってしまったのを嘆いていた。 2012年の春、いい感じで始まったこの催しも、協力をしてきた日本料理店や、仕出し業者、有名ホテル、そして私など、スポンサー側のメンバー全員がとある事情で手を引いてしまったからだった。 なぜかというと、まるっきりボランティアでやっている料理提供者の私達からすれば、店から売り上げの収支報告が一切なく、使途に不明瞭な点もあり、そのため、もう誰も、この件の提唱者のやんやの要請を引き受ける人がいなくなってしまったのである。 ボランティアと称して、自分だけコミッションを取ってはいかんなあ。 だから、残念ながらダウン・カフェの「和食の日」は、再開のめどが立たないだろうと思われる。 しかしそれはさておき、今日、レイラさんと1年ぶりで出会い、七緒さんも交えて楽しく過ごしたひとときは、やはり思い出もたくさんあるだけに話が弾んだ。 本当にボランティアで無心に働いたダウン・カフェの、それなりに愉快だった思い出も語り合うことが出来たし、当時は七緒さんも会社に勤めていたので、日曜日に顔を出す常連さんだったのである。 1年ぶりに隣合って座り、あれこれ楽しいひとときを過ごしました。 七緒さんが連絡係を務めてくれたお陰でこうしてまた会えましたね。 普段なかなか会えない日本人の知り合いと会えたり、レイラさんのような、トルコのいい人達とも知り合えたのだから、ダウン・カフェの奉仕は疲れこそすれ爽やかで、あながち悪いことばかりではなかったが、この「和食の集い」がヘンな目的に使われてしまったとしたら残念だ。 アントニーナ・アウグスタ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年11月30日 20時59分23秒
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