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カテゴリ:イスタンブール日々新たなり
【12月9日・水曜日】 月曜日にコンヤでシェビィ・アルースが開かれたその日に、ディヤルバクルのジャーミイ(モスク)にテロリストが立て籠って警官と銃撃戦になり、放火されたらしく、石造りの堅牢な建物とは言え内部は全焼した。 紅蓮の炎とはまさにこれか、と言うような火勢を見せられ、イスラーム教徒達の胸は張り裂けそうだったと思う。私ですら涙を禁じえなかった。世界遺産地区の歴史的建造物のしかもモスクを焼き払うなど、あの、敦煌の石窟にあった大仏像を爆破したタリバンと一緒で、常軌を逸した恐ろしく罰当たりな行動ではないか。 さらに、戦闘機撃墜事件の後トルコとロシアは歩み寄る気配もなく、互いに非難合戦を繰り拡げているし、パリで開かれているCOP21も各国がまとまらないことおびただしく、世の中、もうお先真っ暗になっているも同然である。 そんな状況を私が取り越し苦労して背負いこみ、くよくよして暗い気持ちになっていても仕方ない、また次年度も無事にここで暮らせるように、と居住許可証の更新のために準備を始めることにした。 午後から、グランド・バザールに行った。各地で起きたテロ事件のとばっちりで、あれほどにぎわっていたのに、今は閑散としてしまったグランド・バザール。美由紀さんの店に寄ってメティン店長の好意でチャイをご馳走になり、そのあと電車通りを渡ってディスカウントショップで白髪染めを買った。 坂道を長々と下って以前よく買い物をした「キリム・アーツ」のイスメット社長に挨拶に寄り、スルタンアフメットのハマムの青年が、日本のアッ君から預かって私に運んでくれた品物を貰いに行って、そこからはタクシーで美保子さんの待つエミニョニュの店に行った。 7時で終業となった美保子さんと一緒にバスに乗り、私は久しぶりにいつもの店、ユスフパシャ駅前の「ユクセル」にウイグル料理を食べに行った。 ところが、最初に頼んだ餃子スープはもうどうにもならないほど塩っ気の強いしょっぱ~い味だった。もともとピリ辛だけど美味しかった麻婆豆腐は、脳天にまでズキーンと来るような、とんでもない辛さで口の中が痛くなるほどである。 これを薄めるには白米ご飯をこってり投入しないと、麻婆豆腐だけでは到底食べられたものではなかった。なにしろ、スープなどもチャイ用の角砂糖をなめながら飲む始末。 しょっぱい、なんてもんじゃないのよ、このチョルバが・・・・ この前来た時は美味しかったし、値段も24リラだった麻婆豆腐、今日は28リラで辛過ぎ あらっ、停電です。真っ暗だ~。今日は何と言う日だろう、 美保子さん、これはもう食べない方が健康のためにいいよね。 とりあえずろうそくが配られたけど、それからほどなく、食べかけの 皿でもガルソンが無言で回収に回って、持って行かれた客多数でした。 そこに持って来て8時半過ぎ突然停電となり、この店だけではなく、辺り一帯が真っ暗である。もう厨房でも料理は出来なくなったようで、店では各テーブルにいる人達に請求書を置いて回り、食器をバタバタ片付け始めた。 せめて一言、「皆さん、申し訳ありませんが、停電なので早めに閉店させて貰います」とか何か言ってからそうすればいいのに、「停電だ、見りゃあ分かるだろう」とでも言わんばかりにブスーッとした店員達全員が一言も口を利かずに、つっけんどんにガチャガチャ音を立てて片付けるので、「駄目だ、こりゃ」と美保子さんと顔を見合わせ、早々に会計して店を出た。 しかもこの店は、1年で3回も4回も全品値上げして、この前、11月7日に来た時も「あ、先月より値上がりしてる」と言った覚えがあるのに、今日はまた更に高くなっていた。儲け一点張りのあくどい商法にはがっかりした。 「加瀬さん、どこかでお茶飲み直す?」と美保子さんが言ってくれたが、どこも停電なので帰ることにした。バスでタキシム広場まで来て、そこからタクシーで家に戻った。 あとで聞いたところによると、この店では腕の良かったコックを安給料でこき使っていたので、彼は店を辞めてウイグルに帰り、もっといい給料で働いていると言う。 してみると、そのあとがまのコックも、安給料の腹いせに、こんな料理を出して客に嫌な思いをさせて店に寄せ付けないようにして、店のトルコ人のオーナーに復讐しているのかもしれない。きっとそうだな! アントニーナ・アウグスタ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年12月13日 16時14分56秒
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