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カテゴリ:イスタンブールで人と会う
【7月22日・金曜日】 今月に入って間もなくだったと思うが、カッパドキアで、TV番組撮影だとか、写真家のコマーシャル用写真撮影などで、2003年からずっと車両やホテルの手配などを、安心して任せていたロックバレー・ツーリズムの社長、アタジャンさんから電話が来て、友人の息子が日本と関わる仕事で、何年も前から考えている商売に、本格的に乗り出したい、と相談を受けたので力添えを頼めないか、と言うのだった。 ご当人は21歳、あと1年大学の勉強が残っており、夏休みで郷里のカイセリに戻っているが、近いうち必ずイスタンブールに行き、挨拶をかねてどんな風に進めて行ったらいいか、また日本の詳細について教えて貰うために、私を訪問させたいがどうか、と言う。勿論私に異存はない。 私はこの話を友人のワカさんに引き受けて貰いたいと思い、15日の昼にワカさんが日本土産を私に届けてくれた時に、それとなく下話をしておいたのだった。 そして本日朝の11時、ワカさんにも来て貰い、家の近くのジハンギル交差点のそばのチャイ・バフチェシで初対面を果たしたのだった。 青年は礼儀正しく、カイセリ名物の土産の品々(パストゥルマと言う、ビーフ・ジャーキー風なピリ辛牛肉と、スジュックと言うピリ辛、極太の牛肉ソーセージの詰め合わせを二箱ずつ)を、二つの袋に分けて入れ、私達それぞれに持って来てくれていた。 「まだなにもお役に立つことしていないのに・・・」とワカさんも恐縮したが、「いえいえ、わざわざ、私のためにお2人に出て来て頂きまして済みませんでした」 挨拶が一通り終わると、すぐに彼は用意した10ページ前後の書類をリュックから取り出して、私達の前に広げて見せた。 話を聞いても、自分の考えを実現するために、思いつくこと、出来そうなことは一通り試していたことも分かった。資料にも、過去に調べたいろいろなことが書き出されていた。 ワカさんが感心して、「単に若さで、単に自分の思い付きだけで、人を動かそう、と言うのではなくて、ここまで自分でも頑張って見たのですね。でも日本のことはやっぱり日本人が間にいる方が望ましい、と分かったんですね」とちょっと微笑みを浮かべて私に言った。 私も今までずいぶん「日本と交易したい」と言う話を持ちこまれたことがある。たいていの人が無手勝流で、構想は頭の中にあり、ああしたい、こうしたい、と言う思いだけはあるが、明文化したものがあった試しはなかった。 それに比べてまだ21歳だと言うこの青年は、日本の企業と話をするのに、英語で何度も挑戦したらしい。目的の企業やその住所などもきちんと調べてあり、私によく来る丸投げ姿勢ではないことが分かった。いろいろと話し合った結果、青年はワカさんと組んで、まずは話し相手になってくれる企業との、面会のアポイントを取ることになった。 まずは日本のお盆前に約束だけでも取り付け、必要最小限の日数の滞在で効果的に動くためにあれこれ話し合った。この戦略は彼とワカさんの直接の話し合いやメールのやり取りで進めて行くことになるだろう。 彼はこうしたことに報酬を出すのはもちろん当然のことと心得ていて、都内か近郊の事業所を幾つかターゲットにし、ワカさんがコーディネーターとして同行したり、通訳したり必要書類の翻訳をしたりすることに、報酬を払うことは当然と考えており、むしろ彼の方から、「これとこれをお願いすると、いくらくらいでやって貰えますか」とおとなの話し方をする。 やがて小一時間が経ち、青年は「それでは午後行くところに向かいたいと思います。お知り合いになれて光栄です」と言って立ち上がった。ワカさんが「月曜日にアポが取れるように挑戦して見るわね」と言い、私達が手を出すとそっと柔らかく握って会釈しながら去って行った。 ジハンギルのオヤジカフェで初対面した私達。とても好青年でした。祈る、成功! 「トルコの若者にも、金持ちのボンボンらしい生意気な人が多い中で、彼は本気で対応しようとしていますねえ。私、どこまでやれるか分かりませんが、ああいう人なら大いに応援したいと思います」とワカさんが言った。 私達はそのあと、サフランボルのギョズレメ屋を訪ね、2人でギョズレメでお昼にしたが、最後にワカさんが「加瀬さん、やりがいのありそうなお仕事を紹介してくれてありがとうございます。今日は私が・・・」と言いつつ私の手を押さえてご馳走してくれた。 私は一度家に戻り、猫達に餌をやってからまたジハンギルのアク銀行に向かった。いつも超がつくほど待たされていらいらする銀行だが、本日は窓口に1人だけしかいなくて、しかもその機械も故障していてメンテナンス中だった。 待つこと45分(4,5分ではなく、45分ですから~)、やっとテラーマシンが動くようになって、業務が再開されたが、たいていの人が呆れて帰ってしまったと見えて、私は1時間待ったか待たずで呼び出され、幸運にも時間内に払いこむことが出来た。 アントニーナ・アウグスタ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016年07月27日 23時42分50秒
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