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カテゴリ:チュクルジュマ界隈のこと、または猫ばなし
【8月17日・水曜日】 今年の3月から、外部の専門業者からヨネッティジ(管理人・支配人)を頼み、チュクルジュマ通り48番地のウルガズ・アパルトマンでは、22年も住みついて、ろくに掃除もしなけりゃ、住民のためにもなっていないカプジュに、規定の退職金を払って辞めさせようとしているのだが、今まで何年もろくに月給を払わなかった家主2軒だけでなく、カプジュは12軒の家主全部を相手に訴訟を起こしたのだった。 その件に関して16日の夜、ジハンギルのとある場所で、緊急に住民会議が開かれた。カプジュ当人は、辞めさせたいなら退職金を2倍払えと主張、裁判所から12軒あてにまとめて来た調停の日時を知らせる公文書を隠し、当日法廷に誰も顔を出さないで裁判を放棄した、と言う形にして裁判所を騙してしまったのだった。 しかもカプジュに何年も月給を払わない2軒の罪ではなく、各フラットの持ち主全体の怠慢と不当労働行為だと訴えたらしいので、お役所は12軒全部に国の行政処罰を受けさせることになった。 罰金の額と最終支払日を知らせる公文書12通が一まとめにまたまたカプジュに届けられ、カプジュはこれも隠匿して誰にも知らせなかったため、もとの罰金額の2倍くらいに当たる巨額の追徴金が科せられてしまったのである。その額は1軒15万円近くにもなるのだった。 ヨネッティジのムラット氏は、12軒のフラットの持ち主である人々の足並みが揃わないために、みすみすこのカプジュ夫婦の小細工で仕掛けた罠に陥っている点を指摘する。 やはり専門家だけあって、分析も正しいムラット氏に対抗して、カプジュはせっかくこちらが退職金を規定通り、払うと言っているのにいろいろ欲をかいて2倍もせしめようと家を占拠、あれこれ、住民に嫌がらせを続行しているのである。 「こんな悪質な奴は滅多にいませんよ。ああ、あいつらを追い出せたら、住民の皆さんにどれほど、快適な毎日を過ごせるようにしてさしあげられるか、と一番いい方法を模索していますよ」とムラットさんは張り切っている。 16日の会議では10軒が集まり、あとの2軒も委任状でムラットさんに彼らの意向を伝えているので、会議は2時間ちょっとでスムーズに片付いたが、誰かからカプジュに、次の日17日に、家を占拠しているカプジュのところにカイマカム(郡庁)から取り調べ官が来る、というのがもれたらしく、今朝はアパルトマンにカイマカムの役人が来た時、カプジュの家はもぬけの殻だった。 かくて話は振り出しに戻ってしまい、20日の土曜日にまた招集がかかることになった。カプジュは、舌切雀の欲張り婆さんのように、大きなつづらを獲得しようと必死なので、いつかきっと大きな「スカ」を掴んでしまうことになるだろう。カプジュは自分の仕事である、到来郵便物の管理もせず、公文書を隠匿したことが立証されれば、大きな罪を犯したとして追われることになる。 この世に神様がいるなら、絶対にそうならなければ私のような正直者が損をするばかりになるだろう。もう彼らに同情などしないし、もし子供じみたエレベータの故障騒ぎや、階段の停電騒ぎなどで対抗しているつもりなら、 迷惑だからさっさと、退職金も得られずに罪人として消えて行ってしまえ、とさすがに私も思うようになった。 秋の初めにこんな雲が出ることがある。うちのアパルトマンもいいところだがなあ。 アントニーナ・アウグスタ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016年09月02日 22時36分02秒
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