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madamkaseのトルコ行進曲

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2017年01月02日
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【1月2日・月曜日】


 元日はオルタキョイの卑劣なテロで始まり、夜来のみぞれが明るくなる頃まで続いたが、幸いにも昼前に上天気となり、午後マヤ猫の様子を見るために出かける頃にはよく晴れ上がっていたので、家を出て歩きでトプハーネ駅までボアズケセン通りの坂道を下って行った。

 15分くらいでトラムワイの駅に着き、そこへちょうどカバタシュ行きが来たので隣のフンドゥクル駅まで5分、バスがまたすぐ来て私だけが乗り、道路もガラ空きだったので30分で、獣医の最寄り停留所、アクメルケズに30分で着いた。家を出てからたった1時間05分でオズギュル先生のクリニックに到着した。

ganjitu  
元日のバスは貸し切り状態、道路もガラ空き、すいすいと進みます。

akmerkez  
アクメルケズ。イスタンブールでも2番目くらいの老舗。1993年開業


 
 本日2日もまた、街の様子はまだ本格的稼働体制に入っていないようで交通渋滞はなく、3時に家を出て4時ちょっと過ぎにはクリニックに着き、私を待ちかねていたようなマヤに対面した。

 腎不全の治療に注射、点滴、餌をすりつぶして注射器で飲みこませる、という形で加療してくれているのだが、
「マヤは全然答えてくれていないんですよ。非常に危険な状態です」と先生は昨日と同じ言葉を繰り返した。

maya1  
マヤはとても疲れた顔をしていて、私もあまり動かさないようにしました。

maya2  
表情も硬く、寂しそうです。疲れさせないように、2枚だけ写して先生のところをお暇しました。


 私が留守の時は猫達の面倒を見てくれるウスキュダルのアフメットさんに、マヤの様子を報告すると、
「これからマヤを受け出しに行き、うちに連れて来て私が面倒を見ましょうか?」と言う。

 しかし、先生は精一杯の加療をして、退院の日には何とか無事あなたにお返ししたい、と言っているところへ、医者でもない人が「あんたのとこじゃ駄目だ」と言わんばかりに乗り込んだら、それもまずいよなぁ、と私は躊躇した。

 今までにも瀕死の猫を腕の中で眠らせてやりたい、と家に連れ帰ったことは何度もあった。
鉄腕アトム、コマちゃん、老貴婦人19歳のコンテス、特にコマちゃんは恋人のアントンの姿が見えなくなったので、獣医にいることを悟ったのか、自ら4階のベランダから身を投げて骨髄損傷の大怪我をしたのだった。

 運動神経の極めて優秀なコマちゃんは4階から落ちてもちゃんと四足で立てる猫だったのに、わざとダイビングに失敗したとしか思えない落ち方をしたのである。

 同じ病院に運んだ時、もう腎臓病で意識も朦朧としているアントンが点滴に運ばれてくると、診察台の上で、自分が横たえられているトレイの中で身を起こし、前足でボートを漕ぐように必死に横に置かれた籠に近づいた。

 そしてアントンの横たわる籠に愛撫するように何度も額をすりつけて、私をどうしようもなく泣かせたコマちゃんも、下半身がマヒしたまま、入院中に衰えて行くばかりだったので、とうとう家に引きとり、赤ちゃんを育てるように毎日大事に面倒を見てきたが、怪我をしてから19日目に私の腕の中で胸にもたれかかり、甘えるような目つきで一度しっかりと私の顔を見、やがて眠るように息を引き取った。

   コマちゃんの最期の日のこと  こちらから


 アフメットさんの意見も聞いてみようと彼に連絡を入れ、私は先生に挨拶して、5時15分前にクリニックを出た。ベシクタシュでバスを降り、船着き場まで急ぎ足で歩いて、5時15分発のモトールと呼ばれる電動船に乗ってアジア側に渡った。

 先日市役所の書店で、もう十何年も前から日本語を勉強しているのに、全然会話の出来ないアフメットさんが、泣いて喜びそうな小さな日本語の会話帳を見つけたので、いつも猫の面倒を見て貰うお礼に買っておいてプレゼントすると、果たして目を真ん丸くして「これで私の日本語は完ぺきだ!」と喜んだ。

motor  
ベシクタシュからウスキュダルに渡るには、市営の連絡船や
民間のモトールなど頻繁に便があって、非常に便利です。

mezgit  
メズギットの唐揚げ。柔らかでとても美味しい、アユのような魚です。


 アフメットさんとウスキュダルのバルック・パザール(魚市場)の中にある大きな魚レストランに行き、メズギット・タヴァ(メズギットと言う魚の唐揚げ)やスープをご馳走になり、マヤちゃんのことについて話をしたが、彼は自分が引き取れば「気」を送ってマヤちゃんを蘇生させてやれる、と熱心に説くのだった。

 その辺のところが「なんだかなあ」と一抹の不安があるので、マヤを彼に任せるか、自分で引きとって最期のひとときを愛撫してやりながら、送りびとになるか、迷ってしまうのである。

 アフメットさんは私が「気」の面で彼を信じておらず「預かって」と言わないものだから熱が冷めたのか、マヤを明日にでも引き取る、と言わなくなった。

 トルコ・コーヒーもご馳走になり、なかなかいいレストランだったと言うと、「また、来ます」とおぼつかない日本語で言い、船着き場まで送ってくれた。

8時10分発の大型電動船でエミニョニュに渡り、そこからタクシーで家に戻った。アフメットさんが撫子の花束をくれたので、家に帰って空き缶に水を入れ活けておいたら、猫達が早速かわるがわる襲いかかって、アグアグと葉っぱをかじって喜んでいる。

 アフメットさん、どうもすみません。どこに花を飾ってもうちではかじられてしまうので、勘弁してください。






   かに座さそり座いて座
かに座さそり座いて座



madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)




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Last updated  2017年01月03日 21時21分19秒
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