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カテゴリ:イスタンブール日々新たなり
【1月7日・土曜日】 夜中の3時半ごろにふと目が覚めて、ブログに“目覚めたときのお楽しみ”などと書いたことを後悔してしまった。 外はまだ真っ暗だが、今寝ている寝室のカーテンを少しめくって見て「エエ~ッ」と思わず声を上げてしまった。信じられないような真っ白な光景が出現していたからである。 ヨーロッパが今、猛烈な寒波に襲われていて、この冬将軍は東欧諸国も平定しながら南下して、イタリア、ギリシャ、そしてトルコにも到達したのだった。 これでは新年会どころではない。昼少し前、私達も電話連絡を取り合い、次の週末に、などと決めず、天候の落ち着くのを待とうと言うところで話がまとまった。 家の西側サロンからチュクルジュマ通り。街灯の傘にもうつららが長く延びています。 東側の部屋から見たタクタキ坂方面。暗くてよくわかりませんが吹雪いています。 タクタキ坂をズームで見ると・・・車の屋根にも相当な積雪が。 隣の保育所の庭。手前が猫のえさ場の通路。これでは猫が来られません。 停電も断水もしないうちに熱いお湯をたっぷり張ったお風呂に入ろう・・・ あ、パソコンやってて忘れてしまい、せっかくのお湯がどんどんあふれた。 シチューを煮ることにしました。材料の野菜も十分あります。 煮上がりました。3皿分です。3食続けるのはチト飽きる。間に何か別ものを。 あっさりと盛りつけます。これで十分、今日は料理する気分になれないし・・・ 自分の朝食は昼近くなってから、先日シチューを作って半分ルウを残しておいたので、新たに作って食べていると、去る5日の朝、イズミールの裁判所で、テロリストと単身闘ってシェヒット(戦没者)となったフェティ・セキン巡査のなきがらが空路故郷のエラズー県の小さな町に運ばれ、そこで営まれた葬儀の様子を報道し始めた。 急いで皿を置き、テレビに映る妻や3人の子供、年老いた父親の悲しむ姿を見て本当に胸が痛んだ。いままでもこれから先も、こうしてシェヒットが出るたび、軍人であれポリスであれ一般市民であれ、同じように辛い悲しみが残された人々を襲うのだ。家族や親せき、友人でなくとも、こうして連日繰り返される悲劇は人ごととは思えなくなる。 お父さんの背中を見ながら、素直に育ったらしい上の2人の姉弟、そして無邪気な可愛い表情の末の女の子と、未亡人となってしまった奥さんに、国や県や警察庁が充分な保証をしてやってほしいものだと、しみじみ思った。 前日に行われたイズミールでの告別式で、未亡人と3人の子供が参列。人々の涙を誘った。 フェティさんは故郷エラズー県の英雄として讃えられることになっても、 これからはもう遠く天から子供達を見守ってやるしかなくなりました。 雪はいつか止むだろうが、愚かな人間のすることは、少しも容赦なく犠牲者の人生を闇に葬る。そして栄える国や滅びる国が明暗を分け、これがまた神代の昔から繰り返されてきている、というわけだ。 ついこんな、哲学者みたいなことを考えてしまう。それにしても、正直なところ、自分にとっても今年ほど辛く悲しい正月は、かつてなかったなあ、とつくづく思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年01月09日 22時08分31秒
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