2657787 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

madamkaseのトルコ行進曲

madamkaseのトルコ行進曲

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

madamkase

madamkase

Calendar

Favorite Blog

Comments

 marnon1104@ お久し振りです (。≧ω≦)ノ!! kaseさんのお誕生日だったのですね。 お元…
 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
 madamkase@ Re[1]:渡航記念日(03/16) 高見由紀さんへ こんにちわ、イスタンブ…
 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

Freepage List

Headline News

2017年03月09日
XML
カテゴリ:メフテル軍楽隊


【3月9日・木曜日】


 数日前、タキシム広場に近いところに住む友人から「蔵書の整理をしたので、加瀬さんのお知り合いの日本人の方々の中に、読みたい方があったら差し上げて下さい」と、小型のスーツケースと布袋にいっぱいの書籍を預かった。

 私は何か頼まれると、出来るだけかなえてやりたいと思うので、今までにも日本に帰国する人、引っ越しする人、大掃除した人から、不要になった品々や書籍の類を貰ったり預けられたりして、家全体がまるでもう、撮影所の小道具係の倉庫状態になってしまって久しい。

 もともと一人暮らしには多過ぎるくらいの食器や書物を、私自身も日本から持って来ているので、今回預かった本を貰ってくれる人を探すのに、あっちこっちの心当たりに電話をかけて聞いてみると「うちにも古い本が捨てなければ、というほどあるので折角ですが、遠慮しておきます」とたいてい断られてしまう。

 そこでどんな本があるのか、スーツケースから出して、書店のカバーを全部はずしてみると、表紙などがまだピカピカのままで出てきた。著者別に名寄せにして整頓して見ると、非常にいいことを思いついた。

 おととしあたりから、会社勤めは止めて、在宅勤務の翻訳業に転向し、翻訳者通信講座で勉強していると言う七緒さんの、日本語力を更に磨くのに最適ではないか。

 以前ご当人から聞いた話では、読みたい日本の本があると、アマゾンで取り寄せたりしているが、費用もかかるのでそうそうは買えないらしい。今手元に預かった本の中には、これは良さそうだ、と言う本がたくさんあった。七緒さんに話してみると、「喜んで頂きます」と言う返事。よかったよかった、これを機に私も長年の悲願、本棚どころか家中の整理整頓に取り掛かろう。からになったスーツケースと布の袋は、昨日のうちに友人に返しに行って来た。

 ちょうど、去年の暮れから仕事が忙しくて、大好きなメフテル軍楽隊のコンサートに行くことが出来なかった七緒さんが、今週の木曜日ならやっと行かれそうです、と言うので、今日はアジア側に住む共通の友人レイラ・バーデムジ・オズデミルさんも誘って行くことになった。

 そこで、今朝は早くからベッドにむき出しに積んでおいた本を、大きさ順に数冊ずつビニール袋に詰め込み、大きな2つの肩掛けバッグの内側にもう1枚ずつ袋を重ね、持ち運びしやすいようにきっちり詰めた。外は小雨がパラついてきた。ひどい降りにはならない予報だが、昨日の生暖かさと比べるとやはりひんやりした風が吹きだして冷え込んで来た。

 午後2時、予約していたタクシーが来て、二つの大きな肩掛けバッグで総重量15キロくらいある本を玄関に下ろした。そしてやがてやってきたジハンギル・タクシーのトランクに入れて、七緒さんの家の方に回って貰い、彼女が夫君のイブラヒムさんともども家の前で待っていてくれたので、彼にバッグを渡し、七緒さんが乗り込んでそのまま軍事博物館に向かったのだった。

 幸いに集合約束の2時半にまだ余裕のある頃、軍事博物館に着いて、正門のセキュリティ装置のある部屋で待たせて貰ううちに、レイラさんが思いがけず夫君同伴で現れたのだった。3ヵ月ぶりにメフテル・コンサートに足を運んだ七緒さんと、去年7月以来のレイラさんはさすがに嬉しそうだ。


 本日、どういうわけか、コンサート・サロンはガラ空きで、前の方に全然人がいないので、メフテル隊員が張り合いなかろうと、私達は前から2番目の席まで下りた。レイラさんの夫君は後ろの方で一人ぽつねんと腰を下ろした。トルコ紳士の中には、けっこうシャイな人がいるのである。

baki  
本日の指揮者、メフテル・バシュ役はベテランのバキ永勤曹長。

koszen  
キョスゼン、シェラフェッティンさん。

ismail  
チョルバジュ・バシュ役 :イスマイル・カラウシュック永勤曹長


 今日は木曜日なので、少佐、中佐、大佐など佐官達の会議があるらしく、コンサートのメフテル・バシュはデニズ少佐の代わりにバキ曹長が務めている。ムラット中佐に代わってのチョルバジュ・バシュはイスマイル曹長で、キョスゼンはシェラフェッティンさんだった。

 ボルゼン(トランぺッター)のウミットさんが隊列復帰しているのが入場行進の時に分かった。とても嬉しい。彼は新年早々、次男の誕生の喜びも束の間、この坊やが命の危険のある難病にとらわれ、たいそうクリティカルな状態にあって、一時たいそう心配していたのだが、奇跡が起こったかのように快方に向かっているとのことだった。

umit  
ウミット・デミルさん、レイラさん、七緒さん達と


 そのウミットさんが退場後、舞台に戻ってきてくれたので、レイラさんと七緒さん、私の3人が彼と記念撮影をして貰った。レイラさんの夫君はそういうことに興味を持たず、もう出口の方に行ってしまっていた。

 私はシェラフェッティンさんに電話して、着替えが終わったらいつものカフェテリアで会おうよ、お客様を紹介したいし、と言った。いつも親切なジルゼン(シンバル奏者)のイブラヒム・カサコルさんにも来てほしいと伝えて貰った。

 カフェテリアではチャイやコーヒーだけでなく、軽食や甘いバクラバも置いてあり、チャイとバクラバを私が注文していると、レイラさんが追いかけてきて全部払ってくれた。

 カフェテリアの奥の部屋で、レイラさんと夫君がアダナとオスマニエの隣同士の県の出身で、シェラフェッティンさんがまたその隣のハタイ、イブラヒムさんはオスマニエやハタイからちょっと先のマラティア県ということで、トルコ人の大好きな「ヘムシェリ(同郷、隣県、近県)同士」の間柄なのが分かった。

kafeteria  
軍事博物館のカフェテリアで実に楽しく話がはずみました。



 レイラさんの夫君はメフテル軍楽隊のことは知っていたが、軍事博物館には初めて入ったとのこと。長い博物館内の展示品の豊富さに驚き、息子のアリ君に電話して、今度はおまえも一緒に来なさい、などと言っている。

 1時間弱とは言いながら、たいそう和気あいあいのひとときで、大いに親交が深まり、5時に送迎車が出るので5分前にお開きにして名残惜しく分かれた。

 私達4人は門から外に出てもまだ別れがたく、5時過ぎから6時半まで近くの食堂でトルコ風のおつまみである前菜を夫君が注文し、もうひととき、6時半までもう一度歓談してから別れたのだった。


 私はバスでタキシム広場の地下の停留所で降り、幸い雨もほぼ上がったので、歩いてスラセルビレル通りのいつものスーパーまで下り、台所の足りない調味料などを買い足したりして7時半過ぎに家に着いた。猫達のことをすべてやり、ほっとしてパソコンを開いたところに七緒さんから電話が来た。

 「加瀬さん、今日は楽しく過ごさせていただき、ありがとうございました。今日のみんなで撮った写真をお送りしたので見てみてください」

「あ、それは早速にありがとう。いまパソコンを開いたところよ。あとでじっくり見せて貰うね。」

「はい、それに、帰ってから拝見したんですけど、重たい本をこんなに沢山お持ち下さってありがとうございます。きれいにして届けて頂き、本当に嬉しいです。読みたいものがこんなにいっぺんに手に入って、これから大事に読ませて頂きます。どうかプレゼントして下さったお方にもよろしくお伝えください」


 ああ、人生はこれなんだ、と私は思った。私が、預かったものを面倒くさがってほったらかしにしたり、預けた人に「欲しい人に分けてあげましたよ」と嘘をついてゴミに出してしまっても、誰も見ていないのだから私が責められることはないかもしれない。

 でもそうじゃない。

 見ている人はちゃんといる。そういうことをやった自分自身と、天から神様も見ているのと、少なくとも2名の目撃者がいるわけである。本は外国にはそうそう持って来られない。私がちょっとだけ手間を貸して、本の古くなったカバーを全部はずし、欲しい人を探して届けてやり、喜んで貰えたのだから、万々歳ではないか。

 私は七緒さんとの話が終わってから、本の贈り主にも電話して、「貰った人が喜んでくれました。どうぞよろしくお伝えくださいと言っていました。ご報告しますね」と笑顔で言った。すると相手も「お手間をかけてしまって申し訳ないわ、でもいい方に届けて頂いて、本当にありがとうございました。」とニコニコしながら言っているのが目に浮かぶような優しい声で言うのだった。

 終わりよければすべてよし。私も自分のところに「美空ひばり」という竹中労氏の文庫本(昭和62年刊)の他2~3冊を貰い、あとで読もうと思っている。





   かに座さそり座いて座
かに座さそり座いて座



madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)




猫猫「チュクルジュマ猫会」猫猫




海泡石のパイプやアクセサリーと、「宮古島月桃」の買える店

ピンクハート  アントニーナ・アウグスタ  緑ハート黄ハート















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017年03月11日 19時45分57秒
コメント(0) | コメントを書く
[メフテル軍楽隊] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X