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カテゴリ:イスタンブール日々新たなり
【3月10日・金曜日】 カレンダーなどなくても、動物達は自分達の年中行事をよく心得ている。渡り鳥の習性といえばそれだけのことになってしまうが、遠くに旅する彼らには、旅立ちの幾日か前になると、リーダーが檄を飛ばして、「あと3日後に旅立つぞ」などと周知徹底するのだろうか、毎年正確にほぼ同じ日に出発するのか、それとも集まって様子を見ながら、「明日にするか?」などとやっているのだろうか。 知り合ってから11年余りお付き合いしている福島のブログ友達・典子さんが、毎朝家の近くの信夫山まで歩く道筋の季節の移り変わりを主として、愛猫茶々丸君のこと、家族のこと、友達のこと、吾妻連峰や森や田んぼのこと、松川のことなど、明快な短文と写真で紹介してくれているが、カモや白鳥はどのようにして渡ってくるのか、とても興味深い。 marnon1104(典子さん)のブログ The truth of pepper さて、今日は昼過ぎに軍事博物館のちょっと先にあるシシリーまで用事があり、博物館の脇を通るので、七緒さんに連絡して見ると、彼女もちょうど午後から夕方までフリーだと言うので、うまく間に合えばコンサートを見られるね、という、メフテル・フェチ同士の話になった。 金曜日とあってタクシーはつかまらないし、ちょうど金曜ナマズ(祈り)の時刻とも重なるので、お祈りの最中だとちょっと道が空くのを思い出して、早目に家を出た。急いでタクタキ坂と続く階段を上ったところで、空のタクシーに出会い、乗り込んだ。 タキシム広場まで来ると、その先が混んでいそうだと運転手さんが言うので、そこで降りて広場を突っ切ろうとしたら、晴れ上がった上空で、大型の優雅な鳥が夥しく乱舞しているのが見えた。 私は地下のメトロに降りるエレベーターに向かって走りながらも、コウノトリらしいその姿に惹きつけられてとうとう、せっかく上がってきたエレベーターを見送り、コウノトリを写すことにした。あ、動画にして撮ればよかった、と思ったが後の祭り、鳥が固まっているところを狙ったので3~4枚写すのがやっとだった。 タキシム広場の上空で夥しい数のコウノトリが乱舞しています。 どこから来てどこに向かう一団なのでしょうか。 コウノトリは飛ぶ練習でもしているかのように、まだ整列してはおらず、思い思いに広場の上空を旋回しており、やがて北の方角に遠ざかって行く。早く電車に乗らなければ、と言う思いと、もっと見ていたいと言う思いが葛藤するが、約束の時間に遅れても悪いし、諦めてエレベーターで地下に下りた。 コウノトリの渡りの一団を見たのは久々だったが、幸先良く彼らに出会えたことで私の気持ちが晴れ晴れとしたのは確かだった。シシリーでは、芸能プロダクションから2日分の日当を頂いて、3時ちょっと前に会社のあるビルを出て、七緒さんに電話して見ると、もうコンサート・サロンの昨日と同じ位置に座っています、間もなく始まりそうです、と言う。 さっきコウノトリを見たせいか、背中に大天使ミカエルかガブリエルの長い翼が付いたかのように、すいすいと飛ぶような足取りで(他の人が見たらそうは見えないと思うけど)、ジュムフリイェット大通りの工事中だらけの歩道を急いだ。 私がホールに着いてみると七緒さんの言う通りガラ空きで、ちょうどメフテル・バシュが呼びだされ、最初の一曲が始まるところだった。前の方の席の真っ赤なシートの中に七緒さんの黒い髪がポツンと見えていた。ホールの警備の兵士は背広姿で、今までの見慣れた若者達は除隊となって、ほとんどの若者は2月から新たに勤務に着いた人ばかり。 私はちょうど1年前の3月2日に、その観覧席の階段を転げ落ちたことがまだ記憶に新しいので、警備の兵士の腕を借りてつかまりながら下までついてきて貰った。七緒さんの隣に座った途端、息せききってここまで駆け付けたツケがいっぺんに出て、座った途端、汗は噴き出す、息切れはする、落ち着くまでにいい曲が幾つか終わってしまった。 2日続けてシェラフェッティンさんがキョス(大太鼓)を担当しました。 この写真からあとはすべてピンボケ。どういうわけか分かりません。 本日、私の写したメフテル・コンサートの写真は、どういうわけか、ほとんどがピンボケだった。コンサート終了後、私達はすぐに外に出て、前日にレイラさん夫妻と入ったロカンタが結構美味しかったので、またそこに行った。 3~4種類のおかずを大皿に盛り付けて貰い、チャイを取り寄せ、あいにくいつものように写真を写すのも忘れ、七緒さんが「やっぱりデニズさんの指揮は一味違いますよねえ」と感動している様子に私も微笑みながら頷いた。 七緒さんは去年の12月にコンサートを見たきりで、昨日3ヵ月ぶりに来たものの、今年から木曜日はデニズさんが舞台に出ないことになったので、今日はすっかり動画にメフテル・バシュ姿を収めて満足していた。 6時半頃お開きにして会計は、七緒さんが昨年後半に縁の出来た会社から、定期的に仕事が回して貰えるようになり、加瀬さんが推薦してくれたお陰ですから、とご馳走してくれた。やっぱりコウノトリを見たご利益かな、ありがとう、七緒さん。 木曜日は雨になってしまったが、今日はいい天気だったし、まだまだ明るいので、買い物もして帰ろう、とバスでタキシム広場まで来て、スラセルビレル通りを歩いて下った。足は衰えたとはいえ、これだけ歩いたり走ったりしているのだから、まあ、健脚の部類で通りそうな気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年03月17日 16時35分44秒
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