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カテゴリ:日本を思う/日本にいる人々を思う
【3月11日・土曜日】 いつも早朝から起きているのは、日本のニュースも見たいからであり、チュクルジュマの家に引っ越してから間もなく、当時からの友人だった現ウイグル語・中国語・日本語ガイドであるヤースン・イディクットさんの協力で、カラキョイの専門店から買ってきた衛星放送用のアンテナを取り付けて貰ったので、NHKworldと、ロンドンのJSTV(Japan satellite TV)経由でも、NHKの総合テレビのニュースなどが見られるようになった。 JSTVは有料の年間契約を結ぶと24時間ずっとNHKやFNSなどの番組を見ることが出来る、と言うのだが、私は毎日家でじっくりとテレビ番組漬けになっていられないし、トルコのニュースは出来るだけ見るようにしているので、NHKの大河ドラマや紅白歌合戦などはとうに諦めていた。150ドルとか200ドル出して契約を結ぶ気にもなれないし、無料会員という身分に甘んじている。 6年前の3月11日、日本では午後2時46分、トルコでは朝の7時46分に起きた大地震と津波、私は日本からトルコ学の勉強も兼ねて観光に見えた大学のセミナーの先生の企画で、受講生6名(50代、60代の女性)総勢7名の皆さんを、私が先生のおトモダチと言うことで、市内観光のお伴をしてフォローすることになっていた。 ホテルを8時半に出発、チャーター車がホテルの前を出たか出ないか、と言う時に、トルコ人の友達から第一報が入り、地震の勃発とそれに伴う津波の襲来の映像が、トルコのテレビ各局で放送されているとのこと、地震は約1時間前に起こったらしいことが分かった。 私にはそれを皮切りにたくさんの友人達からあとあと見舞いの電話がかかってきた。ツーリストとして来ている皆さんは、すべて東京にお住まいの人々だったが、東京地方も陸続きなわけだし、留守家族や家のことも心配するに違いない。地震と津波の話をするタイミングを、考えて考えて、やっと最初の見学場所のカーリエ博物館を見た後、皆さんに知らせたのだった。 みんなわれ先にスマホを取り出し、2~3人の人には家族からメッセージが届いていたが、電話をかけようとしても、こちらからの回線は繋がらなかった。私も娘や息子、大宮の両親に電話が繋がったのは、日本が夜遅い時刻になってからだった。 あれから6年、私は毎年トルコでその時刻に黙祷を捧げているが、今年はトルコ政府が去年の秋、夏時間から冬時間への切り替えを廃止したため、時差は6時間。トルコでは朝の8時46分に日本の14時46分の黙祷が生中継されたのだった。 今年は天皇・皇后両陛下のご名代として秋篠宮殿下と紀子妃殿下がご臨席になり、黙祷が終わって両殿下が着席されると、安倍総理大臣、そして秋篠宮殿下の追悼のお言葉があった。 写真を撮ろうとしても自分も黙祷中なのでピントが合いません。秋篠宮さまと紀子さま。 安倍総理大臣の追悼の言葉 秋篠宮さまが懐中から書状を取り出し、追悼のお言葉を述べられます。 慰霊の言葉の書かれた書面を捧げ、拝礼する両殿下 3年後に迫まった東京オリンピック、パラリンピックのメダル候補達の活躍や、ジャンヌ・ダルクのような小池百合子都知事の破竹の勢いが報道されている昨今、それはそれでいいことだが、仮設住宅の一隅で「俺達の村の震災はまだ終わってねぇんですよ・・・」と肩を落としてつぶやく一人暮らしのお年寄りの姿も、身につまされてしまう。 天下り問題で文部科学省が大揺れした後、大阪の国有地を超安値で取得した学校法人のいろいろな不条理が表ざたになって、竣工寸前の立派な校舎が解体されるのされないのと、国を挙げて上を下への大騒ぎ、無駄に使われた税金、人件費、時間、建築で働いた人達の膨大な喪失感、えええ、もったいないなあ、となまじ離れたところにいるために、凝縮されたニュースとして聞くせいか、かえってキリで穴を開けるようにものすごい現実感が伴って私の頭にまで突き刺さってくるようだ。 遠く離れているのを幸い、対岸の火事のように見ていた方がいいのだろうな、自分が頭を悩ませてノイローゼにでもなったら困るしなあ、とも思う。でも、せっかく見られる日本のニュースを見逃してしまうのももったいない。 というわけで、また次の朝、早起きしてしまうのがもう何年も続く私の習慣になっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年03月14日 04時49分01秒
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