|
カテゴリ:チュクルジュマ界隈のこと、または猫ばなし
【4月1日・土曜日】 昨日31日の朝、数日ぶりにアパルトマンの下のコリドール(裏への通路)に職人が出てきて、2.5メートルの高さの壁の上に、練ったセメントを置き始めたのが見えた。 そして、アイシェさんとの夕食に出る前、昼少し過ぎにもう一度台所から下のコリドールを覗いてみたら、壁の上に猫よけの装置を取り付けたのが見えた。私は思わず自分の肩から両腕にかけて、びっしりと鳥肌が立つのを感じた。 保育所の庭に張り出している柿の木の枝にも新芽が出てきました。 塀の上に黒く見えるのはまだ濡れたセメント、そして線ががたくさんついているのは? 見るも恐ろしいガラスの破片の、尖った先端が沢山埋め込まれているのです。 乾けばこうなるのです。 まだセメントは濡れているので真っ黒に見えるが、そこにびっしりと嵌めこまれていたのは、思った通りガラスの破片だったのである。27日から私は辛い思いで裏庭に来る猫のために、キャットフードを置くのを止めにしたが、こういうことを職人にやらせた女流画家は、保育所側の塀の上から猫が大ジャンプをして、このガラスの破片で大怪我をして二度と来ないように、との意図らしい。 そしてもし、キウイやミディエなど、うちの猫が、あるいはもっと別なよその飼い猫や野良猫が上から落ちたら、これも大怪我をして、まかり間違えば死んでしまうかも、いや、いや、死んでもしまえとばかりにやったとしか思えない。 人間の泥棒や強盗なら盗み、あるいは家人を殺傷する目的で、こういう塀の上に乗ってしまい、大怪我してもそれは悪意を抱いた報酬だから仕方ない、自己責任だ。私は3月半ばから塀を新たに積み直すのを知って、きっと相当高い塀にして、きっとこのガラスの破片を置くと推測していた。だからこそ、猫嫌いの画家のためにも、餌を置かなければ次第に猫が集まってこなくなるだろうと思い、心を鬼にしてやめたのである。 キウイが一番この窓の外に出る。ときには腕木の先端までいく。 こちらはご存知オグリ。今まで落ちたことはないにしても絶対ないとは限らない。 しかし、アパルトマンの住人が飼っている猫や小型犬、あるいは外の野良猫、こういう動物には、よその家に侵入するにしたって、悪意は全くないし、通り道に選んだだけである。うちのサーカス猫、キウイ姐さんだって何度か下に落ちて、この前はブラック・ウスタのおいた枯れ木の枝に顎をぶつけ、脳震盪を起こして動けなかったこともある。 こんな鋭いガラスのかけらの上に落ちたら、たちまち深い切り傷になるのは火を見るよりも明らかだ。 その女流画家が、カモメや犬やその辺の猫達を題材にして描いた絵を私は何枚も見ている。同じ人とは思えない。自分の家を守るためには、手段を選ばないなら、あの大統領とまったく同じではないか? マイ・カントリー・ファースト、マイ・ファミリー・ファースト。マイ・ハウス・ファースト。 刑務所のようなコンクリート塀を築いた人は、もう日も差さないし、風もよく通らなくなった家の中で、ああ、よかった~、幸せ、幸せ、と思えるのだろうか。まあ、好きにすればいいか。そんなこと、私が気を揉む必要はない。私が心配なのは、猫や犬やハト達のことばかり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[チュクルジュマ界隈のこと、または猫ばなし] カテゴリの最新記事
|