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カテゴリ:食べ物シリーズ
【5月7日・日曜日】 ムサカというのは、基本的には、ナスと挽き肉を炒めてトマト味で煮込んだスル・イェメッキ(汁気のある料理)だが、家族の数によりナスのほかに玉ねぎ、ニンジン、インゲンマメなど、彩りと増量のために多少ほかの野菜を加えても邪道ではない。 先日美由紀さんとジハンギル・ロカンタスで食べた時、それを食べたらとても美味しく出来ていたので、私はトルコ料理などろくろく作ったことがないのに、このところ別件でまた外出もあるため、簡単な料理で素早く食べられるものを用意しておけば、帰宅してからも手間なしで食べられる、と思うようになった。 うちにもトルコ料理の本はいろいろあるが、読んでも自分で作ることはなかったし、でも、トルコの食べ物の大半は、パンではなく、ご飯のおかずに持って来い、の物が多いと昔から分かっているので、まあ、一度食べるとほぼ似たようなものは作れる。 あの日買い物した中に、ひき肉や新鮮なナスもあったので、今日はムサカを大量にではなく、1人で2回分のおかずになるくらい、作っておこうと思った。 そしてやっぱり、増量のためと言うより、彩りよく作りたいと、玉ねぎ、ニンジン、ピーマン、平茸などを混ぜて、トマトも丸いのを1個使い、それらしく出来上がったので食べてみると、けっこういける。 我流のムサカ、テキトーなのにこりゃあ、行けると思いました。 土曜日の夜拵え、その晩と日曜日の食事にちょうどよかったです。 トルコ料理大全のコーディネーターを務めたこの身が、トルコ料理は作れない、と公言していてはいけないのではないか、と思うこと自体、小さな前進と言えるのではあるまいか。 かくて2回に分けて味わった結果は、「うまかった。そのうちまたやるか」という気になったこと。 トルコの女性クリエーターとしてぴか一のギョニュル・パクソイ女史を、日本に紹介する番組でコーディネーターを務めたのが縁で、デザイナーとしての才能は及ぶべくもないが、料理研究家としての名声もつとに高いので、この件でも日本に紹介記事を書いたことがあって、2~3度毎年1月か2月上旬にパクソイさんの催す「料理の夕べ」にも招待して貰ったことがあり、抜群のセンスに圧倒された。 当時大学に通っていた娘が週末に家に戻ると、張り切って日・土折衷風な料理を拵え、飾り付けでギョニュルさんのような大胆さを発揮して見せたら、私に似て、ダジャレの得意なV子は、「お母さん、やったねえ、きれい、きれい」とほめてくれたが、私にいい名前を献上するよ、と言うのである。 私の作ったトルコ料理の前で、V子はおごそかに神主がお祓いでもするかのように言った。 「お母さん、今日からあなたがギョニュル・ぱくりソイと名乗ることを許可します」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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