1795343 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

夢みるきのこ

夢みるきのこ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

2015年03月15日
XML

「きのこは境界生物である」Fungi(=Wild mushrooms) are marginal creature. とは、マダラ―ノフのきのこに関するもっとも重要かつ中心的な把握でした。

そしてまた、きのこは征服されざる地球最後の野性生物のシンボルです。

     ベニチEグタケ (7)0009.jpg

 シティ・ボーイ、シティ・ギャルたちの民俗・風俗の絶え間ない興奮を持続し、社会システムやその自閉的な生活空間にノイズと亀裂をもたらす行為は、庶民にとって唯一、詩的で芸術的な行為なのだと僕は信じて疑いません。

 社会システムを解体しようとする大それた政治イデオロギーを持たずとも、アートによる私たちの無意識の顕在化、可視化を実現することで、社会とその構成員たちのシステムの自閉を防ぐことは可能であると考えて、22年前にJ-FAS日本キノコ協会を設立しました。

 以来、めまぐるしくキノコにまつわるあらゆるアートの試みをやり尽し、きのこ暦第1期の8年で会の目的は120%達成し、その記録は第2期8年で隔月刊MOOK『きのこ』13巻に凝縮させて閉じました。

 第3期の6年目に当たる現在は、ムックきのこクラブとして、スーパーきのこ時代の新たな展開の機会を伺っています。

 その試みの中心となる理念は従来と同じく、自然/文化の二項対立、中心と周縁の関係が絶えず変化し、常にシステムに亀裂を生じさせる都会派の生きざまを「キ」を兆すもの(=不揃いのきのこ)を通して世に示していくことにあります。

 そのために、都会人としての他者(=異)である自然と、そこに生息する生き物と親しみ、普段目にはみえないものを正確に捉え自己のものとしていく月1度の自然探訪会(顧問をつとめる川西キノコクラブと併せると月2度)を持ってきました。

 それと加えて、私たち都会派を任ずる者にとって自然/文化のバランス回復の基本中の基本となる、言葉を掘り下げる合評会を月1回「夜の顔不思議な俳句会」で展開してきています。

 常に「ちょっと背伸び」の庶民となるためには、訥々とした短い言葉で日常的に使っている言葉を文学としての言語ととらえなおし、自己を表現する習慣を身につけること。それを俳句的な最短詩形式にとりあえずなぞらえて創ることを奨励しているのです。

 しかし、ここでも私は、専ら有季・定型・17音固守という、規律=訓練による抑圧的な言葉の権力空間に自閉していく危険性を回避するために「きのこポエム」を提唱し、常に新たなシステムが発生するカオスとコスモスが混在する「場」を創り上げるよう心掛けてきました。

 柳田の言う「常民」と「山人」の概念でいうなら、「常民」に決して悔悛しない常民の顔を持った「山人」となるべく山(=自然)を恋い続ける生活を続け、クラシカルミュージックにうっとりしつつ、ノイズであるジャズやロックに親しみ、年貢や納税の対象としての「農民」ではなく、遅ればせでも納得のいく税は支払い、常に一所不住の「都市遊民」を貫くこと。

それは、マトリクス化・グローバル化の現代社会の中では到底生きぬけないと感じている人たちに新しい生命空間を提示していく試みでもありましょう。

 スーパーきのこ時代の「きのこシアタープロジェクト」とは、私たち、持たざる都市最下層民たちがゆるやかに連帯し、固定化し自閉していく世界から絶えず逸脱していく試みなのです。

 それは日常的に興奮・発情しつづけ、無駄なイメージと好奇心を膨らませ続ける都市生活者の心身のバランスを政治的にではなく、まったく意表を突く方法で回復すること。そして更に、(ここが重要な点ですが)そんな自分自身からも絶えず逸脱していくことなのです。

この試みに疲れたときこそが、はじめて老いを迎えるということでしょう。

 まもなくはじまるきのこ暦第4期に向けて、<キの子>たちのますます強烈、かつスリリングな胞子散布を活発化させていきましょう。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015年03月15日 19時18分27秒
コメント(0) | コメントを書く
[きのこシアターPROJECT] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X