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カテゴリ:きのこの文化誌・博物誌
ヒトは、心(目にみえない世界)と身体(目にみえる世界)の不可分な2つの世界の統合体として生きているきわめて特殊で「異」な存在です。 一方、キノコをつくる菌類である大型菌類もまた、地表下に拡がる目に見えないネット状の本体と胞子を飛ばすために立ち上げるキノコという目に見える世界の不可分な2つから成り立つ、生物界でも極めて特殊で「異」な存在です。 人は頭脳の生み出す想像力という見えない本体で生命活動を続け、キノコもまた菌糸体という見えない本体で生命活動を展開しており、面白いことに「異」と「異」でつなかっています。
僕はキノコと出会って以来、こんな面白い生き物が現実に存在することに驚き、このキノコをモデルにして、人間世界に生起する欲得まみれの現象を冷静に見分け、解読したいと考えてきました。スーパーきのこ時代の僕達の役割は、知の官僚体制としてのアカデミズムの手法を採らずに、ノン・アカデミズム オンリーで、はぐらかし、パロディ、風刺、滑稽、キッチュなど、ありとあらゆるカウンターカルチャー世界の方法を駆使したものでありたい。 そのためには、アマチュアの自由きままな発想こそが求められます。ただ目的意識は明確に、そして絶えず自己検証を自らに課し、軌道修整する必要はあります。 生き物は、本来的に超アナログ的な存在ですが、21世紀の現在、この地上のものはすべてデジタル化が可能だとして、シミュレートを重ね、遂には、生命の根源にまで立ち至って、遺伝子組換えに代表されるような限りなく本物に近いクローンを生み出すことに成功し、大半の生き物もそろそろデジタル世界の支配下に取り込まれようとしています。
かってアダム・スミスが資本主義の自由競走が「見えざる神の手」によって動かされていると驚きをもって受け止めましたが、人間の生み出した人工頭脳であるコンピューターがあらゆる見えざる生命活動までを含めてその支配下に置き、人間の知性を凌駕する日が、今ひそかにさわがれはじめている2045年問題です。 この超・人工頭脳が、超・アナログ存在の頭脳を超える日、それはコンピューターがこの世界最強・最大の新しい神となる瞬間だと私には思えます。 そして、その日は30年もかからないと大方の技術者たちは読んでいます。 さて、僕たちはその日にそなえてどう対処すべきか今からその準備をはじめなければなりません。 といっても僕のアナログ頭脳は「忘れること」を最も得意とし、絶対忘れず、知識を集積し、時々刻々体系化を果たしていくコンピューターとは同じ土俵で闘うと、即刻その結末の結末までが火をみるより明らかですので「忘れること」を最大の利点とするような反語的・ゲリラ戦で戦う必要があります。 そんな痛快きわまりない超アナログ文化の創造を、スーパーきのこ時代の総合アートととらえて、それをスーパーきのこの文化誌、博物誌としてまとめつつ徐々にボルテージを上げて行く。今年は、いよいよ2年後に控えたきのこ暦第4期へとつなぐ重要な年に当たります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年03月25日 21時14分20秒
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