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カテゴリ:きのこの文化誌・博物誌
ショウジョウバカマ heloniopsis orientalis 吉備の中山は全山ほぼ砂岩質と泥質岩の熱変成(ホルンヘルス)した岩山から成り、ところどころ石英閃緑岩や花崗岩緑岩が占め、保水性抜群の土壌。 したがって、沢はないけれど、このショウジョウバカマやきのこをはじめ、湿性を好む生き物が豊富なところとみました。
コフキサルノコシカケ Elfvingia applanata 立派なコフキサルノコシカケに、神社の巫女さんたちの配慮でしょうか。とりどりのキャラクターグッスが並べられて、さながら空飛ぶ円盤のよう。 以上は吉備津彦神社の裏手の山でみつけたもの。
ヤガの仲間 のようですが、同定できませんでした。
キクラゲ Auricularia auricula ユダヤ人の耳という異名をもつキクラゲですが、なるほど軟骨質のこりこりした歯ざわりはご存知の方も多く、言わずもがなのきのこですね。
ヒメキクラゲ Exidia uvapassa
クヌギタケ Mycena galericulata このパラシュートのような傘をもつ可憐なきのこがぼくの大好きNo.1のクヌギタケです。一応食用とされていますが、埃っぽい風味で僕はもっぱら鑑賞するのみ。寒い国の人ならいざ知らずきのこをみて無防備に「食べたい」なんていう人を僕は信用していません。 舌のよろこびよりも地球上の生物群から突出して複雑進化した異ないきもの=ヒト種と、単純化の極みまで単純進化した異な生き物=大型菌類とは、ともに異型(ヘテロ)生物で似通っており、この異つながりの生き物・菌類のふるまいを知ることにこそきのこの面白さはあると僕には思えます。 ようやくきのこという存在が認知されはじめた21世紀、人間はもっともっとこの大型菌類から学ぶ必要があります。
ミイノモミウラモドキ Entoloma staurosporus この上下の写真はいずれもミイノモミウラモドキです。きのこはこのように発生場所により、発生してからの時間のより、天候により全く異なる様相を呈するのを見分けるのが至難の技なのですこのきのこに傘の色、大きさ、ひだの形状と色が酷似しているものにウラベニガサ Pleurotus atricapillustがありますが、柄の色、生え方(材上)、などにより区別します。
麓の庚申池で出会った鴨。くちばしの先が黄色であることと、脚が橙黄色であることから夏鴨の異名をもつカルガモ Anas poecilorhyncha だと判断。
矢富治山古墳の跡地ふきんでおびただしい数の白いベニタケに出会い驚きました。 この時期にベニタケに出会うことは極めて稀だからです。 カラムラサキハツ Russula eminensis しかし、最後に出会ったこのきのこを見てようやく納得。ここ数日来の雨で褪色したようです。冬のベニタケの異名をもつカラムラサキハツでした。このカラには諸説あり、韓や唐由来の紫いろの傘をもつからという説や、口に含むと辛いからだという説が主流です。この辛い性質から類似のきのこのシイダンゴ(カシタケ)などと区別されます。 そのほか、胞子を飛ばす役割を終えてホッとしている様子のツチグリ(写真下)、タマキクラゲやチャカイガラタケ、カワラタケなどが散見できました。アミガサタケに期待が膨らみましたが、この日は出会うことはありませんでした。ムックきのこクラブの旅に期待いたしましょう。
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最終更新日
2015年04月06日 21時16分10秒
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