|
カテゴリ:ムックきのこクラブ
生駒山は役小角が跳梁し、行基が修業を重ねたところです。難波・大和を隔てる要衝の地であると同時に、磐座信仰にはじまる自然宗教の一大ゲレンデでもありました。 そんな生駒の魅力をさぐる旅は、車で駆け抜けては到底知りえません。やはり自分の脚で、生き物との出会い、人との出会いを噛みしめ、その道中の町並みのそこここを覗き立ち寄りながら、少しずつ変化していく風光の変化を愉しむことでしか体得できないものです。 一度限りの人生を数百倍楽しむ方法はいろいろありますが、自然体で余りむさぼることなく目の前の課題をひとつひとつ楽しみながらこなしていくことが基本です。 ムックきのこクラブの日帰り散歩は、この世界が人間だけのものではないことを体感する時間。生かし生かされている事実を頭と身体で味わうためのひとときです。目の前の変化をわがことと受け止め、私自身もその変化する世界の中でとろけていく時間をときたま持つことはもっとも大切なことと考えています。
石床神社の旧社地の磐坐
船山神社の陽石
また、この日「早起きは三文の得」のことわざの通り、石床神社旧社地を探しあぐねて駆け巡っているときに、後から追いかけてきたSさんが見つけておもむろに見せてくれたキノコは、僕にとっては、なんと20年ぶりの再会となったウラスジチャワンタケHelvella acetabulum で、毎年どこかの森でみかけるようになったカバイロサカズキタケを大きくして柄をつけたような子のう菌で、感激です。
暗峠を越えてその沿道の寺社をのぞき、シュンランやカタクリの花を愛で、更に意識を集中させていくときのこたちが次々と立ちあらわれてきます。この至福のひとときこそがムックきのこクラブのかけがえのなさです。
この日は、春先の気候のよい時とあって、18名の人たちが思い思いの時を過ごし、持ち寄ったお酒と肴で休むたびに乾杯を交わし、身も心もどんどん軽くなって、きのこたちとの一期一会の対話を楽しみました。
春の定番のキクラゲに始まり、イタチタケ、ツチグリ、タマキクラゲ、ヒメキクラゲ、フウセンタケ、カワラタケ、ハカワラタケ、ミイロアミタケ、キツネタケ、そして春本番のアミガサタケなどなど。
とりわけ、アミガサタケは熱烈大歓迎で、探訪会のあと、修理のカメラを取りに行ったり、立ち退き要請の出ている串カツ屋さんを激励に行ったりして帰宅は遅くなりましたが、土を取りさっと湯通しして1/2~1/3の大きさにちぢこまったアミガサタケ120本ほどを処理して寝コロンボを決め込みました。夢でももちろん、大和・難波の境の空をとんびのように旋回していました。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年04月14日 16時53分22秒
コメント(0) | コメントを書く
[ムックきのこクラブ] カテゴリの最新記事
|