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カテゴリ:ムックきのこクラブ
桜は女性と同じで「夜目、遠目、傘の内」がもっとも美しいと思ってきた。ソメイヨシノもうるわしい距離を置けばそんなに苦にはならないものだ。 しかし、宣長もかって詠ったように朝日に匂う山桜ほど美しいものはない。 この映像は、去年の5月15日に大和の三輪・桜井から長谷寺を経て伊賀伊勢へと通じる笠間街道をくたくたになるまで歩いた際に遠望した遠目のしだれ桜だ。 この街道沿いの集落は、往古の賑わいは徹底的に褪せてしまっているが、磨崖仏や神社仏閣の跡地を辿っていくと、桃源郷の趣きさえある別世界がひらける素晴らしいところで近鉄名張から室生口大野までのハイランドを朝早くから暗くなるまでひたすら歩き通した。 この街道を古代人に思いを馳せながら歩き切ったことで、ムックきのこクラブの会員は一回り大きく成長したと思う。 僕達の旅は行き当たりばったり、足の向くまま気の向くままで、この古代の幹線道路でこんなアルバイトを強いられるとは企画者の僕でさえご存知なかった。万が一のことを考慮したのはエスケープ・ルート1本のみ。しかし、それも意識にのぼることなく、休憩の度に盃を交わしながら、不馴れで消え入りそうな道を地元の人たちに聞きながら行きつ戻りつしたのだが、同行者は一人として怒ることなく道中を楽しんでいるのには驚いた。
遠目のソメイヨシノも御覧の通り、美しいものだ。写真の腕が良いとは口が裂けてもいわないでおこう。 鬼の霍乱さながらに入院手術を体験した半世紀に及ぶ俳句の友・享さんからも、四半世紀に及ぶきのこの盟友・彪生さんからも続々朗報が届き、この春はささやかなよろこびで満ち満ちている。彼らやムックきのこクラブの若い人たちと共に、精一杯青春を謳歌したいものだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年04月22日 21時31分25秒
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