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カテゴリ:きのこの文化誌・博物誌
5年前の9月にウラジオストックを訪れた時、海辺を散策していて出会った女性たちのショット USJのジェラシックパークでの仕事が早く切りあがり、久しぶりに休みをもらったので、リーザさんの依頼で昨日が締切の、サンクト・ペテルブルグのきのこの雑誌に寄稿する日本列島のきのこについての小文をまとめてしまいたいと思っています。 僕は、88歳まで現役宣言をしていますが、それは身体がまだ思うように動くこの十年間の内に最後の文化事業の端緒をつけるための活動を手掛け、その後の十年は、徐々に衰える体力を若い人達にカバーしてもらいながら、その文化事業の持続可能なシステムづくりに専念するためのものです。 そのための健康維持と筋力、知力の涵養のために転職をしました。あせらず、しかし、着実にその与えられた場で体力の維持に努めながら、目の黒いうちに僕の夢を少しずつ形にしていきたいと考えています。 その仕事の行き帰りの車中で、なかば居眠りながら読みふけっている坂本龍一と中沢新一の旅の対談集『縄文聖地巡礼』は、僕がきのこに見てきたものと余りに酷似していて同時代性というのは、やはりあるんだなと感じています。こんな人達とゆるやかなネットワークを創り上げていくノンリニア(非線形)のアート活動こそが、僕にとってのきのこ文化事業の究極の目的だと思っています。 そして、本書により、その決定的なkeyとなる言葉が<菌類・きのこ>であることにあらためて確信をもちました。 僕のきのこ暦第4期8年の拠点として、 1.「異」をキーワードとする異民族慰霊碑。 「異=hetero」の探究こそがきのこ・菌類の21世紀的展開のベースだとの思いより、さまざまな異世界の共存のためには平和思想の徹底こそが最重要課題だと感じていますので、1年に1度この碑前で自身の1年の来し方行く末を見なおすための集いをもちたいと考えています。 2. ムックきのこクラブの月1度の聖地のきのこ巡礼の旅。 マルクスの思想、ダーウィンの進化論、コンピューターの世界観のベースを成すユダヤ・キリスト・ムスリムのキリスト教的一神教世界は、グローバリズムという言葉に姿を変えて世を覆いつつありますが、そんな世界にほころびをもたらす多神教・アニミズム、アジア的らせん世界、すなわちマンダラ的循環世界の実在に触れる旅は、新しい自然宗教の視点による文化をはぐくむための巡礼的な性格を持っています。 3.夜の顔不思議な俳句会。 上記1,2の活動を言葉としてとどめるための言語を磨く修練の場。 僕はそうした自然に接して見たこと、感じたことを過不足なく言語表現で記録していくことが僕達の新しいアートによる文化創造に必要最小限の課題だと思っていますので、この短詩合評会の集いはムックきのこクラブ・メンバーの必修科目だと思っています。「ちょっと背伸び」とは、あらゆる心身の活動を言葉により正確に対象化していく能力を身に着けることにほかなりません。 ようやく諸般がととのいはじめたきのこ文化事業の新しい形を展開するために以上挙げた3つの「場」を拠点としてそろそろ活動をはじめましょう。
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最終更新日
2015年06月12日 14時51分02秒
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