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夢みるきのこ

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2015年06月16日
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 和暦の朔(6.16の午後11時過ぎ)にあたる皐月1日の今日、三上山麓の印象を感動の薄れぬうちに記録にとどめようとしていると、雨粒のようにささやかではありますが、うれしい便りが2つ、聖地ときのこのときめくプランが1つ舞い込んできました。朔待ちのひとときの僥倖。

 この5月の誕辰の日に、これからの20年現役で過ごす決意をしましたが、それは寄せ来る齢の波と取るに足らないわが人生に抗い続ける覚悟にほかなりません。

 野洲の1日(昨日の続き)

 飽食の果てに水が最高のごちそうであることを知る喜びは齢を経てきた証拠。それは柿の木にひそかに咲く柿の花を愛する思いに似ています。    

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 僕のきのこを巡る旅も、遠大な寄り道の末に徒労に終わるかと思えばそうでもなく、少しずつ核心に近づいてきているようです。僕は早急にその兆候を特定することなく成り行きにまかせてのんびり道草をとっていますが、それとて少しずつトンネルの向こう側へと進んでいるようで、何かワクワクしたものを感じています。

 古代の聖山・三上山を見上げるトポスに鎮座する御上神社。

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    御上神社の楼門(重文)

 ここの祭神は天之御影神で天照大御神の孫に当たるとされ、第七代孝霊天皇の御代に三上山(432m)の頂きに降臨されたという伝承が伝えられていることから、この神社は三上山を神体山としてきました。社紋はくぎ抜き紋(写真下)。

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 三上山の北隣の妙法寺山すそには溜め池の不動池があり、その山口にあたるところに三上神社がある。こちらの方がそもそもの社ではないかと私には思えます。三上山は、遠目には独立峰にみえますが、男山・女山からなる双耳峰で古代より磐座のあったところ。

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 僕の御上神社詣でが意外と時間をくったのと「かくも長き不在」の待ち人遂に来たらずで出発が40分遅れとなったのと、元三上神社の湖畔のロケイションが余りに良かったので本格的行動に入る前に大休止。早々と昼めしとテイスティングの宴をやることになり、またまた千鳥足での磐座巡りとなった。

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 Tさん持参の焼酎「愛子」ちゃん。Mくん持参の「Jack Daniel」。マダラ秘蔵の余市の瓶に詰め替えた竹鶴ブランデー「秘伝」。ラフカディオ・ハーンを訪ねたAさんの松江土産のスズキの燻製やカリントウ、野菜煎餅。Hさんの沖縄土産のチンスコウ。そしてドイツから一時帰国したRさんのお土産のきのこ菓子。いつもながら珍しいものばかりです。

 妙法寺山は、取っ付きよりいたるところに墳丘が口を開けており、たのしいこと極まりない。出世不動明王は住職が不在のため、磨崖仏をみることはできませんでしたが、花崗岩の露出した尾根を辿るのはとてもすがすがしく、酔いも手伝って何か天へも昇る心地すらしました。

 僕は聖地をめぐるきのこ旅をはじめて20年近くになりますが、振りさけみれば、それはおびただしい数の死者たちとの対話を重ねてきたことにほかなりません。

 道々、僕が今日あるのは、その膨大な死者たちの諦念に支えられていることに感謝を捧げました。

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最終更新日  2015年06月16日 19時09分17秒
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