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夢みるきのこ

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2015年07月29日
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  The answer for the name of the fungi 23th July.

                            ムック7月金胎寺 (45)0004.jpg

 同定の難しいきのこたち (すれ違いざま何々ちゃんと言えないきのこたち) 

  10タマゴテングタケモドキ  Amanita longistriata  写真上

 きのこのうちでも比較的チェックポイントの多いテングタケグループでも、このきのこはすでに傘の色の褪色がはじまっていて同定が難しくなっています。が、全体の印象からとりあえず「誰それちゃんだ!」と見当をつけて呼んでみて、スカートの裏をちらりとみて薄桃色であることを確認しましょう。別名アカハテングタケと言われるようにヒダがピンクを帯びることで分かります。

    3 ハタケシメジ Lyophyllum decastes

 このきのこは傘の色が成長のプロセスで極めて顕著に変化して黒ずんでいきますのでパッと見には判断に苦しみます。しかし、道端でワンちゃんのウンコと間違えるきのこはこれが多く、近づいてよく見ると傘の表面に綿毛状のかすり模様が大なり小なり見受けられること。そしてヒダが成長してもくすんでいきますが飽くまで白いことで判断できます。アメリカではケンタッキーフライドチキンと呼ばれとても美味しいきのこですので、ウンコでないことをたしかめて試してみられてはいかが。

    5 チシオハツ  Russula sanguinaria 

 このきのこは、傘が真紅であることから比較的容易に見分けられますが、よく似たきのこにドクベニタケ R.emetica があり、まぎらわしい。

 判断に苦しんだら、傘の赤い薄皮をめくってみるとよろしい。クルリとめくれるようならドクベニタケ。またヒダが古くなっても白く柄に紅がささないならドクベニタケです。チシオちゃんは、柄にどこか紅がほんのりとさし、ヒダは老成するとクリーム色になるのも見逃せません。でもこのキノコと出会ったときはまだヒダは真っ白でしたね。ここがとてもむずかしいところなのです。

                             ムック7月金胎寺 (89)0006.jpg

  金胎寺で出会ったきのこたちのうち、以下に述べるきのこは、安価な図鑑で調べても大なり小なり名前は分かります。これがわからなければ、渡る世間は鬼ばかりのこの世で生きていくのはとても辛いと思います。たかがきのこ。しかし、もっとも馴染みのうすい野性生物のきのこ(=すなわち異)の中でもわかりやすい代表格のきのこのグループに属しますが、さてあなたにはわかるかな?!。

 そんな気持ちできのこと向き合うことです。

   4  アカヤマドリ  Leccinum extremiorientale (写真上)

 傘の裏がヒダではなく管孔であるきのこたちを総称してイグチと呼びます。煮ても焼いても黄金色の汁を出し、大型のきのこです。エクストレミオリエンターレとの種小名は「極東の」ということ。極東特産を意味します。  

 1 キイロアセタケ Inocybe lutea

 このアセタケグループは、傘に大なり小なり繊維状なのが特徴です。食べると冷や汗を流す毒成分を含んでいるものが多いことからアセタケという名誉ある属名をもらっています。

 2  ナラタケモドキ Armillaria tabescens

 ナラタケA.mellea同様、小さな腕輪という属名をもつグループで、新しい間は傘がツルリとしていますが、成長するとパラシュートのようなスジが入ります。タベㇲケンㇲは委縮するとか腐敗するとの意味。ナラタケのメレアは蜜という意味。出始め頃のナラタケもモドキも本当に透明感あふれていて、ガラス管の中に蜜を詰めたよあな色合いをもっています。ナラタケとモドキの違いはツバのあるなしだけ。モドキにはツバはありません。

 6 ザラエノハラタケ Agaricus subratilescens

 ザラエノハラタケと傘の中央が褐色を呈するナカグロモリノカサなどのきのこは、形の大小、きのこのテキスチャーの違いで判断できます。

 7 オキナクサハツ Russula senis

 これを入れると料理が臭くて駄目になるところからクサハツと呼ばれて敬遠されるベニタケグループのきのこ。傘に星型の褐色の覆いがつくのを特にオキナ(翁)をつけて区別してきました。ベニタケは怪異小説の作家・泉鏡花がもっとも愛したきのこのグループ。ラテン名のルスラも美しいという語源から来ています。ロシアの古称ルーシも美しいとか赤いというニュアンスを持っています。

 8 ニッケイタケ Coltricia cinnamomea

 ラッコの毛皮のような感触をもつ傘コルトリシアは今は亡き菌友・上田俊穂さんによるとイタリア語できのこの意。和名の肉桂はその色からきています。担子菌類のサルノコシカケグループでハナウロコタケ、北摂の大野山で出会ったアミスギタケなどと同じ仲間です。

 9 カサヒダタケ Pluteus thomsonii

 属名のプルテウスはウラベニガサの仲間であることを語っています。シイタケの榾木から出るので害菌扱いされますが、傘の表面に美しいヒダをもつきのこです。このヒダのお蔭で一目瞭然に分かります。

  11  カバイロツルタケ Amanita fulva

 ツルの首のようないでたちでツバのないテングタケグループのきのこをツルタケと呼んでいます。ツルタケは灰色の傘。カバイロは黄土褐色の色から付けられた和名です。どうみてもツルタケなのだけどツバをもっているきのこはモドキをつけるとほぼ正解。

 このきのこはツボから伸び始めると数時間で成菌になります。ツボの状態のものを採ってきて寝かせておくと一晩でとぐろを巻いて傘を垂直に開きます。どう傾けてもヒダの部分を下にもってくるこの特性を専門用語では負の向地性と言います。植物のつるが巻くのも、きのこの柄に縦じまが入るのも、あらゆるものがらせん形をとるのも、重力に逆らって伸びるからです。この地上のものはすべて重力との格闘なのですね






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最終更新日  2015年07月30日 12時56分10秒
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