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カテゴリ:世界のきのこ切手物語
郵便事業を考案し、それを事業として打ち出したのは英国のローランド・ヒル卿ですが、その提唱により、切手という今でいうところのプリペイド・カードのペニー・ブラックを実際に銅版画で制作したのはフレデリック・ヒートという人です。
わが国で初めて切手が発行されたのは明治になって4年余りが経った1871年4月20日。龍があしらわれていたことから龍文切手と呼ばれました。
しかし、我が国の郵政史の上でのきのこ切手は、写真上の椎茸を図案化した20円切手1種のみです。1974(昭和49)年11月2日発行の第9回国際食用きのこ会議記念切手。原画作家は日置勝駿さん。原木栽培しいたけを描いています。発行枚数は3700万枚です。
この余りに貧相な現実に驚き、かつ、きのこファンとして探索の手を伸ばして、ようやく1点見つけました。 天竜奥三河国定公園記念切手の鳳来寺山参道のフクロウの下部にサルノコシカケが描かれているではありませんか。 これに意を強くして更に1点探し当てたのが1948年9月14日発行のアルコール専売10周年記念切手です。ここには真菌類・サッカロミケㇲが作り出すアルコールの化学式が。こちらは発行枚数240万枚ですので、記念切手としてはやや高値がついているそうです。
が、このきのこ切手の僅少な状況からも、我が国の社会通念の中でのきのこの立ち位置が推し量られるような気がしてなりません。 日本の郵政省は何故かきのこに偏見を抱いていたのかもしれません。メール万能時代に突入して、切手も郵政事業も一挙に斜陽化してきた今となってはどうでもよいことかもしれません。 でもうれしいことに、ようやく昨今、きのこが若い人達の間で一般化してきました。<怖い>から<きもかわいい>存在に変化してきたのです。 また、新しいメディアやソーシャルネットの世界でも、目に見えない世界からのメッセージをたずさえて僕達の前に時おり顔をのぞかせるきのこが注目されはじめています。 そんな状況の変化の中からきのこ・菌類に触発された新しい21世紀型の文化が花開く時がようやく到来したと受け止めています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年08月06日 18時14分16秒
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