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夢みるきのこ

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2015年11月01日
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不揃いのきのこたちへ今世紀最大のコンペ招待状

    月が瀬と正月堂と鹿背山不動 (78)0103.jpg 

    観菩提寺の国宝山門

「わが国の古代より現代にいたる政治史を貫くものは新羅と百済の抗争史と考えればすごく分かりやすい」と教えてくれたのは、「堕落論」で知られる文学者・坂口安吾でした。

 この新羅・百済の抗争史の界面(インターフェイス)でもっとも活躍したハイテク渡来集団が秦氏です。「きのこは境界生物である」と言い散らしてきた僕は、秦氏こそがきのこでその彼方にひろがるスーパーきのこの世界こそが21世紀を生きる僕達に重要な示唆をあたえてくれるものだと考えて彼らの動向を探ってきました。

 秦氏から発酵に直ちに結び付くのも僕独特のレトリックですが、僕は真剣そのものです。なんとなれば、僕には世の水面下でうごめくすべてはきのこの菌糸たち、酵母、カビなどの真菌類の活動と受け止めてきましたので。

 そしてただちに行動をはじめたのがムックきのこクラブのきのこ暦第2期の中心的課題「聖トポロジーのきのこたち」の踏査行でしたが、秦氏がしつらえたおびただしい聖地を訪ねるうちに浮上してきたのが山林修行者(聖=ひじり)とその雄・空海です。

        長弓寺・王龍寺2013 (47)0041.jpg 

    生駒東麓の王龍寺の十一面観音磨崖仏    

 しかし、これにはまだもっと尾びれがついていて、最終的には東大寺初代別当の良弁金勝行者(こんぜぎょうじゃ)に行きつきました。ここまで至るのに10年かかってしまいました。それからの5年は磐座巡りの感あるもので、僕について来てくれる人たちにはずいぶんとご苦労な旅を強いてきました。

 しかし、お蔭でこれから僕達が取り組み築き上げる世界がどんなものであるかが、おぼろげながら見えてきました。そこで聖トポロジーのきのこの総集編として、今世紀最初にして最後のコンペ・ツァーを企画いたしました。

    閼伽井堂0264.jpg

    東大寺二月堂前の鵜が重要な役割をもつ閼伽井堂

    月が瀬と正月堂と鹿背山不動 (112)0016.jpg

    島ケ原の鵜の宮神社

 このプランは2年前に月ケ瀬で開かれた大麻(わが国の大麻は大痲とは書かない神事と生活に根差した植物)素材の織物講習会に参加したあと、美女2人と訪ねた島が原の観菩提寺・正月堂で心に決めてきたものです。そして本年、いよいよその日がやって参りました。

    月が瀬と正月堂と鹿背山不動 (48)0070.jpg

    月が瀬の大麻織物講習会

 10年ほど前、凋落期を迎えていた僕を二月堂のお水取りに誘ってくれる人がいて、良弁とのかかわりから、二つ返事で参加しましたが、それから心に温めてきたことがいよいよ実現します。

 この正月堂では毎年、東大寺二月堂のお水取りの原型の儀式が連綿と繰り広げられてきて、近くにはこの祭儀の重要なシンボル・鵜を祀る鵜の宮神社もあり、そこを訪れると良弁の高笑いが聞こえてくる思いにとらわれます。

      春日奥・滝坂の道2012 (95)0136.jpg

    お水取りの東大寺二月堂

 本年、本日11月1日(日)~11月8日(日)の1週間、この正月堂で秘仏の十一面観音がご開帳されるのです。高校時代やり尽して見仏にはとんと興味をもっていない僕ですが、この33年に1度という微妙な期間がとても気にいって、2年前、生きていたなら33年後の同日、この正月堂で会いましょうとマーク・トゥエインの小品「20年後」みたいなことを思わず口にしました。その言葉の最初の1歩が始まります。

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 恭仁京を見下す山あいの寺・海住山寺の十一面観音像

 そして十一面観音という変化観音の信仰は白山の泰澄が広めたものですが、若狭から鵜の瀬を経て琵琶湖両岸、紫香楽、笠置、そして奈良春日山、また生駒山東麓の真弓から法隆寺へとつらなる初期修験の活動域は、「十一面観音・良弁の来た道」と僕が語ってきた彼の勢力範囲とぴったり重なります。

もちろん大分・日田に近い古代秦氏王国と言われる香春岳や英彦山や国東、宇佐の地も入ります。この地もいずれ訪ねたいと思っています。

 2年前には老いの愉しみとしてひそかに訪ねようと思っていた観菩提寺ですが、あらゆる意味でスーパーきのこ時代の幕開けにふさわしいイベントとして、スーパーきのこ時代を僕と共に歩んでいこうと思われる方に広く声を掛けて、33年後再びこの地で会うことを祈念したいと思っています。

 その時、僕は自然年齢ではおおがい(=頁、百+一)に翼が欠けただけの101歳。再会はとても微妙なところですが、その時には僕らの誰彼はいなくても僕たちのダジャレ人生の胞子が方々で発芽し、とりどりのきのこをつくっていることと思われます。

 どうぞ、このスーパーきのこ時代幕開けの記念すべきコンペ。僕達の今後を占う意味でもぜひご参加くださいませ。

    良弁杉0249.jpg

 東大寺二月堂前の良弁杉。彼は鷲にさらわれてこの木にぶらさがっているところを高僧に拾い育てられたという言い伝えがあります。

 観菩提寺とその裏山のきのこたちと挨拶を交わしたあと、鵜の宮神社までぶらぶら歩いて、JR島ケ谷駅まで戻ります。

 ご開帳は期間中の午前9時30分~午後4時まで。午前11時にJR関西本線・島ヶ原駅改札付近でお会いしましょう。伊賀市の島ケ原ですので、車で来られる人も午前11時に駅でお待ちください。お弁当・飲み物、各自持参。お酒! お肴!! 持ち寄り大歓迎。

 この期間にかぎりシャトルバスも出ているそうです。

 首尾よく達成したら、帰途どこかで33年後の再会を祈って一献交わしましょう。

 そして万が一、この日諸般の事情があり、不参加の人は、今日から1週間ある期間中にぜひ訪ねて、行きましたと僕の携帯にメールくださいませ。スーパーきのこ時代のきのこのメンバーは、このコンペに参加した人たちを原会員としてスタートしますので。






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最終更新日  2015年11月01日 11時22分53秒
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