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カテゴリ:ムックきのこクラブ
旧阿山郡(現伊賀市)島ケ原の観菩提寺でご開帳の秘仏・十一面観音像との出会いは、見仏にさほど関心のない僕にとってもいささか衝撃的であった。それはこの観音がこれまでに出会った観音像とは全く印象の異なる表情のきびしいもので、思わず魅入ってしまった。
2年前に良弁・実忠の痕跡を探してここまで足を伸ばした時から心に決めてはいたが、やはり来てよかった。僕の中で何かが瑕瑾(カキン)!!と弾け、壊れるのを感じた。
観菩提寺のパンフレットの三対六臂の珍しい十一面観音の立像と買い求めたご尊顔写真のコピー
33年に1度御開帳の秘仏に会いに行くとは、33年という微妙な星霜を経て再び生きて会えるかではなく、明日いのち果てるかもしれぬ私たちが、33年後の未来を自分に引き寄せ想像しうるかどうかが重要なのだ。もしそれができれば、来るべき33年というタイムスパンの時空の中で生きぬくことができる。たとえその日までに生物的な寿命が終わっていたとしてもだ。 それがこのコンペの目的だった。 当日かけつけてくれたムックきのこクラブの面々は、この日の秘仏との邂逅を胸に、これからの日々を来るべき33年後に向けて歩みつづけることをきっぱりと念じていただきたい。その想像力だけが人間というはかない存在に与えられた唯一の特権であると思えるから・・・。
同じく島ケ原にある東大寺とゆかりある鵜宮神社で33年後を期して宮司さん、地元の雅楽師・巫女さんの卵とともに記念撮影 僕は、この秘仏のご開帳があると知ったその日から、33年後の自分に向けてさまざまに働きかけてきて、本年11月8日の小雨の立冬の日にようやく秘仏と対峙することができた。それだけでもすでに奇蹟に近いものだが、更に僕の中では2年前から来るべき33年の軌跡をしっかりと思い浮かべてきたので感慨も一入だった。 「偶然は必然に」想像力のみがそれを可能にする。 この厳しい表情の変化観音には旧知の親しみをこめて抱負を語り、思いを新たにしてきた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年11月09日 23時55分50秒
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