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カテゴリ:きのこの文化誌・博物誌
同い歳でも天地ほどの差があるなと常々思ってきたデヴッド・ボウイの1月8日リリースの『ブラック・スター』。僕は、彼の熱心なファンではありませんでしたが、21世紀のジャズシーンに急接近していると聞いていましたので、なぜか心惹かれて、買い求め、師走満月の日に聴こうと決めて封印してきました。 義眼の堕天使・ボウイの新天地への旅立ちが訃報に変わるとは、彼の誕生日(1/8)には想像だにできませんでしたが、癌と向き合う日々だったと知りました。
師走望月の日、寒の桜が花をつけていました。
和暦の師走15夜の今日、CDを開き驚きました。マリヤ・シュナイダー オーケストラとのコラボ・アルバムだったのです。 彼女は固定化し、懐メロ化して久しいジャズをその本質である過渡性の渦に再び押し上げたことで、すごいと瞠目した矢先だったので。
心を空っぽにして一心に音楽に聴き入るということこそが救いでは。 D.ボウイは、やはり、わが邦の言葉でいう生粋の「河原者」(エンターティナー)に徹してその一生を貫いたことが一聴、直ちに理解されました。 とりわけ「Girl Loves Me」と「Dollar Days」に、時折聴いてきた彼のテイストにはなかったものが感じられ、オオっと声が出てしまい、何度も繰り返し聴いて過ごしました。
小流れの脇には寒中のヒラタケがやはりD.ボウイの音楽に聴き耳をたてていました。 僕を引き立ててくれた多くの先輩はすべてむなしくなり、同時代人でも目標にしてきたほとんどの人も鬼籍に入り、明日はわが身ということになってきました。 なにをやるにしても脇に並ぶ者とてなくすべて独りで決定し、実行するほかない時代に入ってひさしいのですね。 そんな2016年1月、いよいよ遅まきながら、もぞもぞと動きはじめましたが、ボウイの贈る言葉をしっかりと受け止めて自分なりに行きつ戻りつしながら、しかしゴールだけはあるかなしかのまなこもて、しっかりと見据えて歩いていきましょう。 テラスへ出ると月齢14.1の十五夜月が皓々と東の空高く昇っています。さてもう一度「ブラックスター」を聴いて眠ることにいたしましょう。 大寒過ぎの今週は、ここ5年間ずっと見つめてきた念願の青野ケ岳を踏破するつもりだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年01月24日 22時04分04秒
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