|
カテゴリ:きのこの文化誌・博物誌
ひとつはMOOK版ニュートンの『驚異のバクテリア』と今ひとつは、モノマガジンNo755(3.2)特集号 <最高の家飲みコーヒー>だ。 ニュートン別冊号は、レーベル賞受賞の大村博士にちなんで編まれたものだが、微生物世界の全貌が手際よくまとめられており、きのこと発酵文化を極めていく次世代型のリーダーたちには必見のものである。微生物に対するわがムックきのこクラブ会員の基本的な見方は、きのこと地球を考える「ムックきのこクラブ・2」(2009年8月創刊第2号)に「微生物とは目には見えない生き物なのだ諸君」において述べているので、そのヴィジュアル版と考えてよい。一介の生き物ファンがきのこと発酵文化を手がけるためには、まず微生物の全貌を把握しなければ、自分の取り組んでいる事態の世界座標の中での位置づけを見失ってしまう。そのためには、微生物と漠然と称せられる生き物と超生き物の世界がどういう構造と広がりをもっているかに絶えず気配り目くばせしなくてはならない。そのための美しい手本がニュートン別冊『驚異のバクテリア』(副題 バクテリア=細菌の生態と可能性)なのだ。
今ひとつはサードウェイブと言われる珈琲ブームの爛熟期の今、我が国のコーヒー飲料文化の基本を詳述したものがMONOマガジンなのだ。 今やアメリカ、ブラジルについで珈琲消費国第3位となった我が国のコーヒー状況から缶コーヒー・コーヒーメジャーのブレンド豆も含めたコーヒーのあらゆる楽しみ方、器、水、フードや菓子とのペアリングなどをその珈琲・ギアとともに詳説した本誌は必見である。 たとえばコーヒーに珈琲という漢字を当てたのは江戸時代の蘭学者・宇田川榕庵で、その真っ赤なコーヒーチェリーが、当時の女性の髪かざりのかんざしに似ていることから「珈」の字、すなわち髪にさす花かんざしと「琲」そのかんざしの珠をつなぐ紐をあらわして漢字を当てたというのだ。知っていましたか?。 それに加えて、ポスト・サードウェイブ珈琲に続く紅茶時代を切り開くページも添えられて、なかなかのものだ。 わがムックきのこクラブはしばしばお茶会を開くが、珈琲を含めて紅茶・緑茶・烏龍茶の喫茶と各種酒の飲酒とがもたらす酩酊作用は根本的に異なり、喫茶には覚醒作用があることを心に留めるためのものだ。 酒が神経の矛先を鈍らせ我を忘れる酩酊であるのに対し、きのこや喫茶は我に目覚める覚醒作用があり、為政者にとってこれほど恐ろしいものはないことからタブー視されてきたことも覚えておくべきだろう。
とりわけ、きのこの数百倍覚醒作用のある喫茶の習慣は、我が国では古来僧院の奥処でひそかに愉しまれてきたものだった。それは抜群の想像力の持ち主にとっては、ベニテングダケやソーマもはるかに及ばない神とまじわる好飲物だったのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年02月17日 15時21分09秒
コメント(0) | コメントを書く
[きのこの文化誌・博物誌] カテゴリの最新記事
|