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カテゴリ:きのこの文化誌・博物誌
我が国のきのこカルチャーは、戦後ヒッピー文化、ドラッグカルチャーのシンボルとしてアメリカから移入されたものだ。 そのアイコンとして私がもっともすぐれていると思ってきたのがこのTシャツの「星月夜のハラタケ(ワイルド・マッシュルーム)」。 戦後、ラジオの化粧品のCMに「美人は夜つくられる」というのがあったが、戦後の世界は、冷戦構造の肥大化に比例して、まさに美人同様、夜作られる化学・科学操作のブラックボックスの形成にしのぎを削る日々であった。 発酵文化はその最先端技術。わが国は、その先進国として戦後の復興を次々と成し遂げていった。 私にとって21世紀は、その肥大化した科学の落とし子・ブラックボックスの内実を少しずつ明らかにし、その行き過ぎを是正すること。これがキノコ屋としての僕のライフワークだ。微生物と生物の両方の世界を股にかけるキノコはそのことをずっと草葉の陰で訴えてきたことを、そろそろキノコ屋さんたちも知るべきときがきている。 ドラッグカルチャーなんて小悪にも目くらましをされてはいけない。原子力平和利用の美名の陰で世界唯一の被爆国の記憶も褪せぬ間に、たちまち50数基の原発がこの狭い列島にひしめくことになったのもマスコミは周到に隠してきた。そして我が国の自然宗教のシンボルであり、貧しい島国の基幹産業でもあった大麻文化は戦後まもなくドラッグとしてヘロイン同様のあしらいを受けて全面禁止されたことも忘れてはならない。 その意味でも僕の初心として、このアイコンはこれから折に触れ立ち戻らなければならない名画だと思っている。 この平穏な静寂こそが極東の島国が見失ってはならない唯一のものだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年04月05日 20時54分01秒
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