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カテゴリ:ムックきのこクラブ
アビョーン+oneの西村房子さんが個展を開きました。 アビョーン+oneは、デヴィッド・ボウイ急逝の報(彼はジャズ畑で育った僕にとっては親戚でもなんでもありませんが、その生きざまに共鳴してきた大の親友)で、その日から個人的な通夜をやりたいとモゴモゴ思っていて、ふらりと元町に出向いたついでにRock Barなら彼の演奏も聴かせてもらえるだろうと思い、たまたま作家のMくんの行きつけだと聞いていたので探しさがしして訪ねたお店。 やはり、孤独な魂をもて余している人というのは居るもので、たちまちミュージシャンのマスターとお料理上手のママさんはじめ、居合わせたハイブリッド族とD.ボウイを肴に親しくなってしまいました。 しかし、個展の案内をいただいた時には西村さんとアビョーンのつながりが分からず、とりあえず覗けば過日の誰かに会えるかもと淡い期待を抱いて最終日ふらりとのぞきました。 神戸のチャイナタウンのど真ん中でひっそりと開いていたアート展、観光客らの人込みを掻き分けかき分け訪ねると、そこはまさに海の青とサンゴ礁の白が統べる南の海のアクアリウム。 しばらく画や造形作品を眺めていると、出てきた作家さんがママさんだった次第。 さっそく出来たてホヤホヤの「月のしずく」を手渡して、不思議世界の主がママさんだったことに納得。 西村房子さんは父の勤務先の与論島で幼時を過ごされ、それがこのアクアリウム展の初心とのこと。 さまざまな夢のかけらがぎっしりつまった絵画作品はどれも面白く、懐かしく、銀色の金属を使用した大作は、僕には螺旋あるいは南海の波の渦のように思え、とても親しみを感じたことです。 ここまでやるならウミウシやイソギンチャク、そしてクラゲなどのきのこの親戚筋もぜひ!とお願いしてきました。 ボウイ追悼の夜に出会った人たちとは会えませんでしたが、やがてマスターがきのこ大好きという友人を連れて帰ってきたので、しばらくお話しして「月のしずく」を謹呈してきました。 さて、その「月のしずく2号」は同日の朝早く仕上げたもので、見本誌としての1号とは異なり実際の創刊にあたりますので、内容もさらに濃くしています。
このなつきまだらの「個人誌」に等しい一人相撲の冊子は、ムックきのこクラブの精鋭・10指に余る菌友との6年余りのつきあいの中で醸し出してきたもの。このインティメートな菌核をベースに、本誌の「きのこ」と「発酵」をキーワードにして賢治の「農民芸術概論」をはるかに凌駕する「きのこ人芸術概論」に育て上げ、ナチュラル世界と人工世界の双方を俯瞰し批評するキノコさながらに、新しい生命倫理(バイオ・エチカ)を訴え、次世代へとしっかりバトンタッチさせたいと思っています。
この小冊子は、そんな意味でも僕の支離滅裂な人生の今できる精いっぱいの反抗を伝えるもの。 老残の細き手足を撓め引く藤の花蔓 創刊に際してのきのこポエムは折から花盛りの藤という大向こうのマス世界を意識して徒手空拳のしかもおじんという自らを対峙させています。
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最終更新日
2016年05月21日 23時24分07秒
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