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2017年09月13日
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 9月10日の日曜日、江戸時代町衆文化をになった芭蕉、近松の謎を解くカギを秘めた三井寺五大別所のひとつ・近松寺と木曽義仲寺を訪ねてきました。
 ​さざ波や志賀の都は荒れにしを昔ながらのやまざくらかな 忠度
たいらのただのりの歌のむかし「ながら」にその名の由来をもつ長等公園で可憐なベニヒダタケ Pluteus leoninusとアシグロホウライタケ Marasmius nigripes が過乾燥の山路にひっそりと顔をのぞかせていました。​




 近松寺は、近松門左衛門が人情浄瑠璃作家となる以前の空白の数年間を隠れ住んだいたところ。
​​​​ 近松家の350年の箝口令を解き、その子孫が語った衝撃の真実。詳しくは月のしずく12号で触れますが、その近松寺は逢坂の関(大関)に対して裏筋にあたる、小関街道近くの比較的開けた場所に高観音近松寺として残っていました。この小関越えの途中で芭蕉は恋歌にも感じられる

 山路きてなにやらゆかしすみれ草 芭蕉

を詠んでいます。 
 近くには散髪がきらいな子に効果があるというきなこ地蔵もあるこじんまりした寺(現在の寺名は高観音善光寺)でした。

               きなこ地蔵
 もうひとつは膳所(ぜぜ)の木曽義仲の冥福を祈って建てられた義仲寺。
 木曽殿と隣り合わせの寒さかな 芭蕉
俳聖芭蕉が郷里の伊賀ではなく、なぜこの比叡おろしの琵琶湖湖畔に本人のたっての希望で埋められたかを体で感じるためです。芭蕉に傾倒するかたつむり研究家の大原さんも伴い訪ねてきました。
私はここで巴御前と銘打たれた白檀の線香を買い求めました。

 これやこのゆくもかえるもわかれては知るも知らぬも逢坂の関 蝉丸
​​​​

​ しかし、私にとってもっと衝撃だったのは、途中で立ち寄った関清水蝉丸神社(せきのしみずせみまるじんじゃ)の荒廃ぶりでした。音曲の神様として全国の白拍子や歌舞音曲師たちの象徴的存在であり、そんな事情に疎いものでも小倉百人一首でおなじみの盲目の琵琶法師の蝉丸ですが、今ではつゆおとなふものとてなく、荒れるにまかせていたのです。なにか他人事ならぬ哀れさと悲しみを感じました。
関清水蝉丸神社(上)とその荒廃を象徴するかのような境内裏のハナオチバタケ  Marasmius pulcherripes (下)

 鳥居を入ったところには紀貫之が

 逢坂の関の清水に影みえていまや引くらむ望月の駒  紀貫之  

と詠んだ関の清水もたしかに跡をとどめておりました。
                ★  
 さて、たらたらと長等公園を下りる途中には、慶祚阿闍梨入定窟(けいそあじゃりにゅうじょうくつ)があります。このあじゃりさんは、比叡山焼き討ちの際に智証大子・円珍の像を背負って園城寺(三井寺)へ移したお方で、この石窟で入定したと伝えられ、石像が岩窟に納められています。そのやや手前の素敵なサイズの広場で車座になって、発酵で発光する楽しみのひとときをもちました。

 今日は橘君が、マツタケめしとマツタケの土瓶蒸しを持参、皆にふるまってくれました。マツタケにはとんとご縁のないムックきのこクラブでは稀有な事件なので後世に伝わることまちがいなし。橘君はこれから秋がちかづくと皆が眼にて催促をすること必定です。これに耐えられるか、とても楽しみです。
 そのほか、「月のしずく」11号であやおちゃんが紹介していたマッシュルームぺイストのレシピを佐田さんが早速作ってきてカナッペにしていただきました。​

 ほかに乾燥納豆、ナチュラルチーズ、なつめやし、ミックスナッツ、のしいかなど、生きていてよかったなと思わせる天上の食べ物ばかりで、金時芋の鹿児島焼酎、オーガニックワイン、ラム、ニッカのブレンドウイスキーなどもどこからともなく出てきて呑み助もそうでない人もルンルン気分です。

  あやおレシピを再現したマッシュルームぺイストと乾燥納豆

             マツタケごはん
​​ 天然ゆずも持参のマツタケの土瓶蒸しは、ポットの底にたまったマツタケが食べたいばかりに夢中になって飲みほしてから写真撮りを忘れていたことに気づきましたが後の祭でした。来年に期待しましょう。





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最終更新日  2017年09月13日 15時54分58秒
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