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夢みるきのこ

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2018年01月26日
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 先週の土曜日と昨日の木曜日、伊丹の「みやのまえ文化の郷」で開催されている「日本酒の自然誌」を覗いてきた。
 2度訪ねたのは、撮影禁止と思い込んで1度目はカメラを持参しなかったので、昨日、カメラ持参で再訪したのである。
 昨年阪急百貨店でひらかれたうさぎのねどこ主催の「自然と人工物の間」展以来の、久々に面白い企画だった。自然史レガシー継承・発信実行委員会の主催。
 私はこうした試みをきのこで30年やってきたが、これこそが、高い給料をもらって国家に資源生物学者として貢献しなければならない博物館の学芸員たちがやることではなく、ナチュラルヒストリーの分野でアマチュア主導で手掛けるべきもっとも重要な事業なのである。
 今回、もしこれがアマチュア主導で行われていたら、もっと充実した資料展示ができたであろう。大航海時代にはじまった博物史コレクションの収集は、神の意思が世界の隅々まで浸透していることの証明でもあったから、宣教師たちがキリスト教布教という名のもとに植民地支配の先鋒となって活躍した結果できあがったものだ。
したがって博物誌(博物史的コレクション)はいずれも完璧な収集を旨とし、ゼネラル・コレクションでなければ意味をなさない。
たとえば、今回の展示には、ムックの旅でたまたま立ち寄った名張の花菱の見事な牡丹を配したラベルはなかったし、花の清酒ラベルは「越の寒梅」や桜のラベルを除けば、皆無に等しく、もう少し充実していたらなと思ったことだ。

 しかし、今や狭くなった地球で時代遅れの感が否めない自然史の分野で、そんな贅沢は言っていられない。学芸員たちがなんとか形にしてくれたことはまことに喜ばしい。継続して第二弾、第三弾と博物館に集まるアマチュアの人たちの力を借りながら充実させていってもらいたいものだ。

 この入り口に飾られた摂津の酒樽銘鑑の屏風もとても気に入った。

​ このポルチーニのラベルの酒はわがきのこ村の大江良亮くんがかれこれ10年ほど前に見つけてきて、以来数度ギャラリーきのこの集まりで試飲したことがある。が、今回同じ酒蔵から期間限定で諏訪泉の山廃にきのこラベルがあったことは知らなかった。​

 しかし、ラベルに描かれた日本産ポルチーニのヤマドリタケモドキやハラタケの解説はなくトガリアミガサタケの展示とは、なんともちぐはぐさがいなめない。キノコファンからすればちょっと首をかしげるものだが、おそらく手持ちの実物標本がこれしかなかったのだろう。

 きのこの専門家がいないことで、にわか仕立てのものもあるが、それでもそれぞれの酒にはその生き物の標本と解説がそえられていてとても親切な展示となっている。
「酔鯨」に代表される鯨のラベルの酒にはナガスクジラの骨格標本がともに飾られ、今回のメイン展示として会場中央に鎮座ましましていた。
 この会場では小倉ひらくくんの手前みその歌のCMソングの流れる中、酒精材料のもやしの展示や食品サンプルまで並んでいて、スクリーンにはアスペルギウスをはじめ酒づくりの主役の微生物たちの映像が放映されている。


 カエル工房の溝さんがみたらよだれをたらしそうなカエルのコーナーの展示。

 焼酎のほうがふさわしいと思われるムカデの酒には、むかでの標本が添えられている。

 クラゲはないかなと探してみると、白露垂珠Jellyfishが飾られていた。山形・鶴岡のクラゲで有名な水族館にかかわる清酒だ。
 火の気のない凛とした空気がつまった元酒蔵の会場で厳粛な面持ちになって会場を巡るのはとてもすがすがしい。
 2018.1.13(土)~1.28(日)10時~18時(17時30分までに入場)なので、あと3日ある。
 旧岡田邸住宅・旧石橋邸住宅の「みやのまえ文化の郷」は、JR伊丹駅、阪急伊丹駅から歩いて5分の場所で入場無料、その上、ミュージアム・ショップの自然大好き人間向けのグッズの数々もとてもお手頃価格でうれしいものばかり。
アマチュア生き物愛好家たちにはいろいろ教えられることがある素晴らしい展示につき、ぜひかけつけてほしいものだ。
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最終更新日  2018年01月26日 23時07分04秒
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