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カテゴリ:きのこの文化誌・博物誌
書店で定期購読している『月間日本』2月号を開いて唖然としました。 我が国の主食であるおコメの自由化のために民間企業の参入を阻害しているとして種子法(主要農作物種子法)が2017年ひそかに廃止されました。 この廃止法案とセットで成立した農業競争力強化支援法案では「これまで公的試験研究機関が有する種苗の生産に関する知見を民間事業所へ提供することを促進する」とあります。 2018年4月から日本の農業をグローバル化の波から守ってきた「種子法」が廃止され、300品種以上ある日本のお米が民間企業の手にわたり、公的な財産であった種子が私企業の私物化されるということです。この中には海外企業も含まれ、遺伝子組み換え農業を推進してきたモンサントが今か今かと手ぐすね引いて待っているのです。 それだけでなく、1年限りで収穫された種もみを使用できないハイブリッド種子を毎年買わされることになり、農業が完全にアメリカや大企業に従属させられることにもつながっていきます。日本のおコメを「安心・安全」という見地からではなく「儲かるかどうか」の基準で取捨選択される時代がはじまるということです。 農業の担い手を農家から企業に置き換え、農業を工業化する最初で究極の一歩が「種子法」廃止だと思います。 生き物愛好家、生き物の中でもきわめて特殊な生物であるきのこ愛好家の私たちは、はみだし生物のきのこの視点から見るとこれがいかに恐ろしい計画のはじまりかがよく分かります。 一般の市民が知らされないままにどんどん改悪法案が生まれ、命の防波堤となっている法案が廃されていくこの国に未来はあるのかとさすがに脳天気な私でも真剣に思ってしまいます。 『月のしずく』会員にはまもなく出来上がる14号で伝えますが、じっとしてはいられなくこのページのヴィジターにも併せてお知らせすることにいたします。 詳しくは「月間日本」2018年2月号。さらに同社の臨時増刊『日本のお米が消える』をお読みください。廃止されてからでも遅くはない対処法までがつづられています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年02月07日 18時18分25秒
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