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カテゴリ:きのこの文化誌・博物誌
私の娘の小学校時代の大の親友だったおきょんちゃんが、鶴見緑地の国際花と緑の博覧会記念協会に勤めていて、三田市の人と自然の博物館で「固有種のふしぎ」特別セミナー開催の手伝いで来るというので激励がてら訪ねて、以下の講演も併せて聴講してきた。
人博の名誉館長で2016年度コスモス国際賞を受賞の岩槻邦男氏が基調講演、人博の主任研究員・高野温子さんがオチフジに託して「固有種はどうやって生まれたか」、国立科学博物館研究主幹の奥山雄大さんが「チャルメルソウとキノコバエの律儀な関係」をそれぞれ講演。 オチフジは、佐用郡南光町(現佐用町)の瑠璃寺山門前にある昆虫館の館長だった内海功一さんが播磨地方で自生していることを報告したことにはじまる。 内海さんは、日本キノコ協会時代に南光町の町おこしに10年余り協力してきた頃とてもお世話になった船越山界隈のキー・パーソンであった。そのオチフジにまつわる系統分類の話でとてもなつかしく拝聴した。 つづく奥山雄大さんのキノコバエ(タケカと呼ぶほうがふさわしい)とチャルメルソウとの関わりが本日の僕の関心事だった。 高野温子さんの講演は固有種と思われていたオチフジが中国大陸・北米大陸にも自生しているとのレポートからはじまる固有種誕生物語だった。 オチフジといってもピンとこないとおもうので、西宮マツモムシさんの西宮の水生・湿生植物から写真と記載を引用しておく。 シソ科ラショウモンカズラ属のオチフジ 山地の林縁や林床の崖地や岩屑地斜面に生育する多年草。 茎は斜上し、高さ10~20cm、地下に細い地下茎があり、カメムシを潰したような異臭がある。 葉は3角状心形で長さ幅ともに2~4cm、両面に微細毛があり、鈍頭、鈍鋸歯があり、基部は心形。葉柄は葉身より長い。葉の表面にはしばしば褐色の模様が出ることがある。 萼は筒状の鐘形で長さ約10mm、まばらに軟毛がある。 花冠は淡紫色で、長さ4cm、喉部には開出毛はない。 続く奥山さんの講演内容は、わがタケカの仲間がチャルメルソウの受粉を手伝っているという面白い事実の詳細報告で、とても刺激的であった。キノコムシとかタケカはきのこそのものを主食として生活する昆虫群なのでどういう切り口で話をされるのかなというのが私の関心の中心であった。 彼は、このチョウチンゴケを食して成長するミカドシギキノコバエが、同様の湿地場所に自生するチャルメルソウの受粉を副次的に行っていることの研究には目をみはるものがあった。 こうした微小生物世界の出来事のレポートは生物多様性世界を実現をするためにはとても貴重である。 奥村雄大さん ミカドシギキノコバエ ユキノシタ科 チャルメルソウ属 小型の多年生草本で発達した根茎がある。根出葉を出し、茎には葉が発達しないものが多い。根出葉には長い柄があり、互生するが、根茎が立つ種ではその先端に束生して見える。葉柄基部には托葉があり、膜質で左右1対が先端で多少合生する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年03月23日 22時37分35秒
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