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カテゴリ:ムックきのこクラブ
去る5月13日の日曜日。久々の豪雨に見舞われたムックきのこクラブの旅。生駒山麓の修験の山・松尾寺とあやおちゃんが学生時代通い詰めたという石州流侘茶のおおもとの慈光院を訪ねる旅に出た。 午前10時過ぎの富雄川はサギが魚をうかがうのどかな流れ(写真上)でしたが、午後4時前の帰途に渡った時には濁流(写真下)となっていました。 朝出会ったサギくんは、居場所を奪われた様子で、岸辺でうらめしそうに流れをみていました。 午前中は降ったりやんだりのムックきのこ日和。いつもなら後の半日は晴れるのですが、この日はお天気の神様の虫の居所が悪かったのか、時が過ぎるにつれて激しくふりつのる五月の豪雨(五月雨)そのもののお天気に。 庚申さんは辻の堂とは異なり、それはそれは立派なお堂で、びっくりしました。 ここの庚申さんは大麻草まで栽培されていると思いきや、ユリでした。 黄色いテープで囲っていたので何かの神事に用いるため特別に許可を得て栽培されているのかと早とちり。遠目には大麻草に見えたのです。 さて、小雨の中、侘茶の本家本元の慈光院に到着。ここがまた素晴らしかった。あやおちゃんがお気に入りというのもよく分かりました。禅寺なのに美女がわんさか茶の湯の接待をしてくれます。土産物コーナーも充実していて、売り子さんが可愛くて思わずたくさん買ってしまいました。あやおちゃんが指導したと聞くうどんとそうめんの合いの子みたいな石州麺も買っちゃいました。 ここで出会った茶道嫌いの、若い禅僧の理に叶った言葉の数々が心に沁みとても印象に残りました。うれしくなって美人の御接待係たちと若僧に「月のしずく」をプレゼントしてきました。 石州はんの伯父さんの片桐且元は摂津茨木城の城主で、そこが徳川の1国1城政策のため取り壊しとなったため、櫓門をこちらに移築したといわれる楼門。殺風景な楼門に書院と合わせて茅葺に葺き替えて山門とするなどとてもオシャレな心意気でうれしくなります。 建物全体が侘び茶の精神を具現化していて、しみじみ圧倒されますが、新しく建て替えられた本堂の本尊は真ん中に釈迦牟尼、左右に片桐石州はんと開山の玉舟和尚を侍らせた三尊様式。この日は最初にここを訪ねたのがよかった。松尾寺まで詣でて帰りにここへ来ていたら到底座敷には上がれませんでした。ここを出て松尾寺の往復で、当分風呂に入らなくても良いくらい濡れちゃんちゃこになりましたので。 朝日新聞の慈光院の紹介記事にあやおちゃんが庭園に向かい茶の湯をたのしんでいる風景が写っていましたので、本日の狂気の参加者5名。それぞれ1人ずつ同じポ―ズで記念写真しました。 今回の雨にも負けぬ猛者の1人、澤山画伯のあやおもどきの写真を参考までに。 それからの松尾寺までの往復がすごかった。この坂の果てから同じくらい登って山門に達しましたが、歩行というより着衣のまま泳いだような状態で、リュックも身体も芯まで濡れきってしまいました。濡れるというのがかくまで快感をともなうものかと若い頃を思い出し、感慨にふけりながら、久々に魂の洗濯じゃぶじゃぶ。 おかげで忘れえぬ旅となりました。 滝となった道路の脇にはジャガイモの花。 みかんの花も馥郁たる香りを立てて私たちをお出迎え。 イヌムギちゃんでしょうか。余りムギムギしない穂を垂れてめぐみの雨にうなだれていました。 デンデンムシもぞろぞろ出てきて大賑わい。 すっかり濡れそぼち松尾寺にやってきました。バラ園が真っ盛りを迎えたというのでのぞきました。涙ぐましい営業努力を感じ、かぐわしいバラの香りを満喫できましたが、やはり修験の寺院とはなんともちぐはぐなものを感じてしまいました。写真のような風情に似つかわしいイワカガミや苔、花木ならお隣の矢田寺がアジサイ寺ですので、行者寺にふさわしくシャガや野蒜、リンドウやセンブリなどの薬草で寺苑を満たしてくれる方が僕にはうれしいのですが。 名にし負う松尾寺の三重塔。 復路の途中にあった杵築神社でようやく雨露をしのぐ休憩場所を得て人心地がつき、本日2度目の乾杯。記念すべき雨中のさすらい人・固めの盃を交わしました。 それから大和小泉駅までドッテコどってこ歩きましたが、カタツムリたちが総出の嘆きの壁ならぬ歓喜の壁にアマガエルくんも顔を出して「なぁんだ、もう帰るんけ」とアッカンベーをするので、「君たちとちがって陸に上がって久しいので、えら呼吸する方法を忘れてしまったのよ、この次来るまでにマスターしておきます」と負惜しみをいって別れました。 臨済宗大徳寺派の慈光院は、またぜひとも訪ねたい自由に遊べるお寺らしくないお寺のひとつです。ぜひ皆様もお出ましください。 しかし、この雨ありてこその素晴らしい旅路を得て、芯まで冷えた体で天王寺まで戻ってきてあおった焼酎やお湯割りの梅酒が最高でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年05月24日 23時02分31秒
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