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カテゴリ:ムックきのこクラブ
今回の探訪はこの地で生まれ育ったHさんの案内で土地の精霊たちの声に耳傾けながら天神山界隈を歩き、継体天皇陵とされる今城塚古墳まで足を伸ばす旅。土地勘のあるHさんならではのスポットを堪能いたしました。 この上宮天満宮は、本殿が竹で作られた全国でも珍しい神社です。前宮司は、菌類の働きの著しいこの天神山の肥沃な土壌をさらに肥沃な土質にする「天神基菌(てんじんもときん)」プロジェクトを開発したことで高名で、現宮司さんよりその手順を詳説した手引書をいただきました。 うれしい発見と出会いでした。 古色蒼然とした神宮には当然のことながら、境内にはカンゾウタケのおばあさんとキッズが同時にみられます。 ヘビキノコモドキくんも顔をのぞかせてくれました。 盛りを迎えたアワタケくんはさまざまなステージのものがそこここに。 ツガサルノコシカケも夏に向けて育ち盛りの季節を迎えつつありました。 食べると冷や汗が出る毒タケであることから、グループ名(属名)アセタケと名付けられたきのこたちの代表格。カブラアセタケくんです。 お参りすればイボヂが治るのかと尋ねましたら、「ここは伊勢寺(イセジ)、シに点々で、チに点々ではありません」と言われました。 ここ古曽部の地は36歌仙の1人・女流歌人の伊勢が晩年を暮らしました。その伊勢の作風を慕って追っかけ続けてこの地に住み着いた能因法師の伝承のある能因塚、草稿を埋めたと言われる文塚。そして能因さんも老いを感じはじめてからというもの、アンチエイジングには清水が一番と日々汲んで飲んだといわれる不老水などこまやかに仕掛けられた史跡が方々に散見できます。本当に都会にも関わらず、静かな心の旅ができるところで一同とても気に入りました。 伊勢寺の境内では地下生菌かと見まがうツチグリくんが。 遠くからはシュイロハツと思いましたが、間近でしげしげ見つめると、久しぶりのドクベニタケの良型でした。エズクような辛さ(R. emetica)という学名をもちますが、辛いだけで毒茸ではありません。能因さんも狂っちゃったという伊勢の面影を忍ばせ、鮮やかな紅をとどめています。さすが伊勢寺でした。 お昼はこの高台に鎮座まします日吉神社で。山王鳥居が私たちを迎えてくれます。 この境内ではキクラゲが出ていました。 今日の旅の友は台風の豪雨を意識して、チリワインのルージュとブランのみ。肴は小豆羊羹。しかし、みんなの期待は外れて涼しい風が吹き抜ける曇天の1日に終始しましたのでとりあえず乾杯。 伝・能因塚 今もこんこんと湧き出ている不老水 近年、継体天皇陵に比定された今城塚古墳の前方後円墳はわんぱくたちの遊び場に最適の雑木林でした。 陵墓の上で見つけたきのこは、同定の難しいベニタケの仲間でしたが、粘性がうしなわれてはいましたが、全体的な印象からはキチャハツが一番近いように思えます。 また、瑞兆のマンネンタケも陵墓の上の生死の境で、幸であふれかえった僕たちの前にちゃっかり顔をのぞかせていました(写真下)。 お孫さんの運動会で遅れて合流した画伯もまじえて、しばしばかわす盃ではありますが、先ほどのワインの残りと、画伯持参のレニー・マルタンのコニャックと100%芋焼酎で親族固めの盃を再度、継体陵で交わしました。 高槻駅南の笹井屋さんでは反省会だけ参加したいというUKくん(反省だけならサルでもできるとみんなに言われていました)を待ちながら、清鶴酒造の地酒をピンからキリまで試飲させていただきました。この地の名士のオーナーがわざわざ出迎えてくださり、Hさんの根回しの良さがしのばれます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年06月12日 08時55分16秒
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